金子兜太「他界の春を与太な兜太よ九八」(第183回「現俳協・青年部勉強会/現代俳句の伴走者・大井恒行に聞く」より)・・

 





  本日、4月5日(土)は、第183回・現代俳句協会青年部勉強会「現代俳句の伴走者・大井恒行に聞く(於:現代俳句協会会議室)であった。聞き手は、青年部部長の黒岩徳将+田中惣一郎。予定は、13時から15時半終了だったが、懇親会会場の酒場が開店する16時半までに間に合うように、自然延長にして答えた。

 聞き手のお二人には、インタビューの資料として、愚生の略年譜、『水月伝』第Ⅲ章の作品の抜粋(追悼句の根拠になる句や句集を補注)、愚生の「一九七〇年代の俳句論『社会性から自然への成熟』と『過渡の詩』、『中谷寛章遺稿集』の抜粋、「俳句は、過渡であることをやめてはいない」(「俳句」2021年12月号)、補足:中谷寛章遺稿集から「社会性から自然への成熟 金子兜太氏へ」、愚生の「金子兜太の挫折」(「俳句研究」1982年6月号)等々、とてもすべてには触れきれないコピーの資料を用意して下さっていた。

 その他、田中氏個人蔵の「現代俳句」(南方社)、「俳句空間」(弘栄堂書店版)などもお持ちいただいていた。

 愚生自身がほとんど忘れていたことなど、さまざまなことを掘り起こしていただいた。感謝!!

 今回の勉強会の様子は後日、現俳青年部のアーカイブとして、視聴ができるそうである(申し込みが必要‽)。

 ともあれ、愚生がその句におけるエピソードなどを語った『水月伝』Ⅲ章のレジメから少しだけがが、以下に紹介しておこう。


  悼 中村苑子(二〇〇一年一月五日・享年・八七)

  切り抜きは重信の記事桃遊び

   参考:翁かの桃の遊びをせむと言ふ


  悼 糸大八

  高屋窓秋句集『花の悲歌』の装画は糸大八

  「花の悲歌」芥子の花にぞとこしなえ


 悼 北川美美

 捧ぐいのいち眞神考とぞ初御空

  参考:北川美美「豈」同人『「眞神考」』を出版


 悼 清水哲男

 されど雨「天と破調」という遺髪

  清水哲男:「増殖する歳時記」管理人。「俳句界」顧問


 悼 黒田杏子

 木の椅子にかけず逝かれし杏の子

 参考:第一句集『季の椅子』


 悼 齋藤愼爾

 愼爾深夜の夏の扉を開けましたか

 参考:句集『夏の扉』


 悼 澤好摩

 極彩のみちのくあれば幸せしあわせ

  倒れしのち、「しあわせ、しわさせ」とつぶやく



         撮影・鈴木純一「日の本や燕は恋をしに来る」↑

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