高野芳一「囀りや川面をすべる水の声」(第40回「きすげ句会」)・・


  4月24日(木)は第40回「きすげ句会」(於:府中市生涯学習センター)だった。兼題は「馬酔木」。また、今年も、「きすげ句会」代表・杦森松一が手作りの「きすげ句会」第4集を作ってくれていた。



 以下に一人一句を挙げておこう。


  金平糖の角(つの)とけており春惜しむ     井上芳子

  春風や娘(こ)の声はずむ二重跳び       高野芳一

  石段の鹿の濡れ目や花馬酔木          山川桂子

  君待つや花ひとひらに雨の落つ         新宅秀則

  筍のゆで汁かおる暗き土間           杦森松一

    緊急入院

  危機きみに三つきに三たびさくさくら      濱 筆治

  水の辺の庇となれり花馬酔木          寺地千穂

  風薫る馬酔木の壺に眠る馬          大庭久美子

  清明祭亀甲墓にて死者と呑む          井谷泰彦

  トランプはゲームの中で踊りおり        清水正之

  山藤の紫まとふ風の大木           久保田和代

  はにかみて葉桜や鳴るピアノ          大井恒行



        撮影・鈴木純一「時おそし

                ひとみのなかの虹のをちこち」↑

コメント

このブログの人気の投稿

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

秦夕美「また雪の闇へくり出す言葉かな」(第4次「豈」通巻67号より)・・

山本掌(原著には、堀本吟とある)「右手に虚無左手に傷痕花ミモザ」(『俳句の興趣 写実を超えた世界へ』より)・・