島田栄子「だんご虫ポッケにむぎゅむぎゅ春の園」(第7回「立川市シルバー大学 俳句講座」)・・


  3月5日(水)は、第7回・立川市シルバー大学俳句講座だった。兼題というか宿題は、「オノマトペを使って俳句を作る」で2句持参だった。面白い、オノマトペがいくつかあって、なかなか興味深い時間を過ごした。ともあれ、以下に1人一句を挙げて行こう。


  ひらひらと黄蝶の逢瀬青い空        古明地昭雄

  しみじみと卒寿の友と春の宵         手島博美

  春みぞれギィギィと鳴く鳥藪深く      赤羽富久子 

  口角をハニハニ上げて梅ふふむ       小川由美子

  軒端打つ芽起しの雨パタパタと       白鳥美智子

  水温むポカポカ日差しネコあくび       中村宜由

  ふあんふわん今や馳走の白ご飯        中尾淑子

  青き空ふふふの蕾 春の色         堀江ひで子

  ちりぢりに鬼退散で春来たる         河本和子

  ぶぁっとくる瞼は開かず春一番        山下光子

  くくくくと啓蟄の朝揺るぎ初む        林 良子  

  暁光にキラキラ光る薄氷          村上たまみ

  薄氷にじっと沈むや鯉の群          大西信子

  この世をばひらりひらりたぁべらぼうめ    原 訓子

  長閑(のどけ)しやほぐしにほぐすほぐされし 島田栄子

  春銀河はらりはらりと君の眼に        大井恒行


 次回は4月2日(水)は、近くの高砂公園付近を散策して、吟行句会となります。

嘱目吟です。雨天決行。



★閑話休題・・大井恒行「木の影に 影の風あり 影の木も」(「日刊 県民福井」2月24日(月)」より)・・


 「日刊 県民福井」2025年2月24日(月)のコラム「ふたりごころ」に、愚生の『水月伝』を秋山孤哮氏に評していただいた。そのなかに、


(前略)匹如身のすめらの民や雪月花

 するすみ、とは無財、無一文ということ。すめらの民とは、天皇の民のこと。お国のためと戦った民も、今では何も報われることはない。ただ自然だけが心をなぐさめる。(中略)

    死神に精度はあらず冬の旅

  難解だが、さまざまな作句技術を学べ、また熱が伝わってくる一冊だ。


 とあった。


    撮影・芽夢野うのき「陽炎のなかでじゃんけんして決着」↑

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