尾上哲「白鷺の天守にかかる大柳」(「立川こぶし句会」)・・


  3月14日(金)は、「立川こぶし句会」(於:高松学習館)だった。雑詠持ち寄り4句である。以下に一人一句を挙げておこう。


  畦は今お茶とお新香揚げ雲雀      伊藤康次

  被曝牛牧開(まきびら)きなき十四年  井澤勝代

  病床の窓の先より初音かな       尾上 哲

  友の通夜菜花を添えて啜る蕎麦     和田信行

  春の風弥勒菩薩の指先に        川村恵子

  挨拶は目顔で交わし春の道       三橋米子

  ほころんで霊力放つ桃の花       山蔭典子

  ほほ笑みの椿一輪供えし朝       髙橋桂子

  飛行機は春昼の空切りさきて      大澤千里

  春風に洗えよヘイトクライムを     大井恒行



★閑話休題・・没後30年・ドアノーの愛したパリ 1912-1994/DOBERT DOISNEAU展(於:何必館・京都現代美術館)・・



 先日、京都知恩院から四条通りを河原町法方面に歩いていたら、数十年前に入った、こじんまりした、思わず通り過ぎてしまいそうな、愚生の好きな美術館に、入り込んだ。偶然「ドアノーの愛したパリ 1912-1994展」だった。チラシには冒頭、「ロベール・ドアノーは世界で最も人気のある20世紀を代表する写真家です」「本展は、『子供達』『恋人』『酒場』『街路』『芸術家』の5つのテーマで構成し、サイン入りオリジナルプリント約60点を展示いたします」とあった。かつて、この美術館の常設で香月泰男や山口薫、村上華岳に出会ったのも懐かしい思いがあるが、現在は、ほとんど展示されることもないようだった。


    撮影・芽夢野うのき「春の脳しずかに地球しずかに狂う」↑

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