ローランド・ハーゲンバーグ著・画「夢のしずくの静けさ」(『POEMS/BEDSIDE]』より)・・





 ローランド・ハーゲンバーグ著・画(抄訳 ローランド・ハーゲンバーグ 赤星堂)『BEDSIDE/POEMS』(書肆まひまひ)、「あとがき」の日本語部分のみを記しておくと、

 
 私の内なる声と共に、時代を超えて
 後になって、遠くから振り返ってみると、書くということは不条理な仕掛けのようだった
 書くことの始まりは、眠っている時や途上で
 その後に何が来るかは決して分からない

 以下に、日本語訳の部分のみになるが、いくつかの短い詩篇を挙げておこう。

 私たちの周りでは
 病院の所見が燃えている
 しれは私たちの欲望の
 誤った診断だから

 完璧な一日!
 風が私の思考を彩る
 太陽が雲のふちを
 彩るように

 しかし
 その時突然 創意工夫
 私は夏の脚の間に
 花を摘む

 あなたは賢い人だ
 砂糖の道を切り開き
 ハニートラップを仕掛け
 存在しない未来を信じさせ
 嫉妬のスリルを追い払う

 *ローランド・ハーゲンバーグはウイーンで育ち、現在は京都と東京を拠点に作家、アーティスト、写真家として活動。




★閑話休題・・高野芳一「鯨飛ぶ薄暮に割れし水平線」(第36回「きすげ句会」)・・


 本日、12月19日(木)は。第36回きすげ句会(於:府中市生涯学習センター)だった。兼題は「冬至」。以下に一人一句を挙げておこう。

   
  冬至の日白湯へ添えたる銀の匙     井上治男
  熱燗に錯覚の羽広げたり       久保田和代
  鴨の水尾うすらぐあたり水尾あらた   寺地千穂
  冬至のそら天使の梯子置き去りに    濱 筆治
  冬至来る一ミリの差の岐路に立つ    杦森松一
  冬紅葉水に落ちても影の中       高野芳一
  日向ぼこの福竜丸老ゆ夢(ゴミ)の島  山川桂子
  一陽来復地球(ほし)も期待す被団協  清水正之
  冬至の日庭の柚子入れひたりけり    井上芳子
  みな傷む身体をもてり虎落笛      大井恒行

 句会の後は、府中駅近くの中国料理・福泰飯店にて、忘年会だった。


 次回は1月23日(木)、兼題は「初」。

 皆さん良いお年をお迎え下さい!!


     撮影・中西ひろ美「赤き実に年の残りを知らさるる」↑

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