黒岩徳将「あいうべ体操秋空に舌垂らす」(「かばん」12月号)・・


 「かばん」12月号・通算489号(発行人 井辻朱美/編集人 高村七子)、「かばん」別冊・40周年記念号(発行人 井辻朱美/編集人 土井礼一郎)。「かばん」12月号の「かばんゲストルーム」に、俳人の黒岩徳将「あいうべ体操」8句。特集は、堀静香第一歌集『みじかい曲』(左右社)、その歌集評に笹川諒「〈物〉の聖性/いつか死ぬ」、飯島章友「『みじかい曲』の時間論」、久間木志瀬「あかるいエスカレーター」、「会員による一首評」に土井礼一郎、夏山栞、齋藤けいと、大甘、浅香由美子、来栖啓斗、生田亜々子。堀静香書下ろしエッセイに「ギャル文字jさない」。堀静香(ほり・しずか)は1989年、神奈川県生まれ、山口県在住。また、お祝いイベントで「かばん 40周年 記念題詠 題『40』」で106首が投歌されていて、さらに各人が投票して、投票順位が公表され、かつ「評・感想」が付されている。さらに、その座談会がユーチューブ「チャンネル名:かばん40 祝。かばん40周年企画『がやがや動画』」で観ることができるようになっている。ここでは、その一位(35票)、二位(24票)三位(23票)の歌を以下にあげておこう。


 わたしたち四十の爪を光らせるけだものとして春をあゆめり     甲斐 無所属

 待ち合わせを40分も過ぎたのにまだ春からの連絡がない    春ひより 無所属

 煮崩れた花豆を掬うだけの宵40分後も猫はまだ猫       土居文恵 かばん

 ともだちの40色のクレパスのなかでっゆっくり日が暮れてゆく 萩原璋子 かばん 

  

「かばん」別冊・「40周年記念号」には、「かばん 結成秘話/40周年を迎えて」のエッセイに井辻朱美「『かばん』創刊の頃」、「結成秘話★初代村長に聞く/中山明」。さらに「かばん 歴代編集人のヒトコト/とっておきの話も…」では、「歴代編集人・副編集人」の担当年度と号数が表になっているが、眼を瞠るのは、1990年以来、毎年4月には編集人・副編集人が交代しているこである。従って、人数をざっと数えただけで、50人をい超える。これはすごいことだと思う。いわば雑誌を発行するに際しての実務のアレコレがの作業が、各同人に共有されている、ということでもある。

 「かばん 《てくてく》40年」の扉には、


 1984年4月の創刊から44年という歳月を経て、2024年12月をもって通巻489号も達した『かばん』。その40年のあゆみは《てくてく》と急ぎ足ではないだけに短歌史を彩る様々な景色が垣間見えてとても賑やかです。ここに40年の大年表をひもとき、『かばん』の歩みをゆっくりと追体験してみて下さい。


 とあった。愚生の所属する「豈」も、今年、創刊44周年を迎えるが、いい加減に過ごしてきた「豈」では、とてもこんな充実した誌面は創れない。祝「かばん」40周年!!!



       撮影・芽夢野うのき「王女その黒髪をこそツリーの木」↑

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