石原友夫「悔いならば積もるほどあり今朝の雪」(第65回「ことごと句会」)・・


 本日、12月22日(日)は、第65回「ことごと句会」(於:新宿区・大久保地域センター)だった。兼題は「美」。以下に一人一句を挙げておこう。


  竈猫幸薄そうな役どころ           渡邉樹音

  枯蓮ひゆつと息つくジャコメッテイ      林ひとみ

  美しき残像たぐりよせれば枯芙蓉      杉本青三郎

  落暉いま人を包みて石蕗の花         武藤 幹

  托鉢の柱背にして師走かな          杦森松一

  雨しとど咳が谺す美術館           江良純雄

  いただきますと言っても一人 晦日蕎麦    村上直樹

  丁丁と、とある詩人の人の詩(うた)     金田一剛

  無口よし飾らんでよし冬木立         石原友夫

  寒雀朝日に喉元ちからぬく          照井三余

  被団協灯すトランププーチン習近平の夜に   渡辺信子

  聖堂はるか滅びる者へ散る山茶花       大井恒行 


 次回、一月はお休みで、2月15日(土)の予定。


 ★閑話休題・・アイヌの歌姫・藤戸ひろ子+ナマステ楽団・タブラ楽師、ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ「愛をはじめよう、ほほえみに帰るように!」(於:南千住泪橋ホール)・・

 作日、12月21日(土)は末森英機のナマステ楽団とアイヌの歌姫・藤戸あやこのトーク・ライブ(於:南千住・泪橋ホール)に出掛けた。ただ、末森英機は手術を含む入院となって、演奏に来られず、いつものコンビを組むタブラ楽師、ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディとアイヌの歌姫・藤戸あや子の共演ライブとなった。



  織田忍『山谷めぐる旅』(新評論)、本書には「泪橋ホール」のことも出てくる。かつての、山谷争議団、映画『山谷(やま)―—やられたらやりかえせ』の舞台でもある。本書の結びには「山谷は生き直しができる稀有な場所かも知れない。なぜなら『ヤマ』は、『敗北感』こそが役に立つ街んさのだから」とあった。本の帯には、


 長くセーフティネットとして機能してきた日雇い労働者の街「山谷」

 消えゆくドヤ街を前に、寄せ場の歴史をたどり、

 引き寄せられた者たちの記憶を掘り起こす

 生と死を見つめるノンフィクション


 とある。

 織田忍(おだ・しのぶ) 1975年、千葉県生まれ。現在は台東区にある「NPO法人訪問看護ステーション コスモス」の訪問看護師として、山谷エリアを中心に地域医療に従事。



     撮影・中西ひろ美「ともだちの経過尋ねて毛糸編む」↑

コメント

このブログの人気の投稿

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

秦夕美「また雪の闇へくり出す言葉かな」(第4次「豈」通巻67号より)・・

山本掌(原著には、堀本吟とある)「右手に虚無左手に傷痕花ミモザ」(『俳句の興趣 写実を超えた世界へ』より)・・