蕪村「水仙や寒き都のここかしこ」(「新・黎明俳壇」第12号より)・・
「新・黎明俳壇」第12号(黎明書房)、特集は、「気鋭の俳人10人が鑑賞!“郷愁の詩人“与謝蕪村を読む」。特集の扉には、「『郷愁の詩人与謝蕪村』からは武馬が20句選び、各2句ずつペアで鑑賞していただきました、朔太郎VS現代俳人をお楽しみ下さい」とあり、執筆陣は、川嶋ぱんだ・村山恭子・岡村知昭・星野早苗・小枝恵美子・若林哲哉・赤野四羽・田中信克・千葉みづほ・横山香代子。その他の連載記事もなかなか興味深いものばかり。川嶋由紀子「近江の言葉たち③宮沢賢治星」、松永みよこ「俳句の中の非知たち⑪人の作れぬ美しいもの」、太田風子「ニューヨークから俳句⑫/SHOの落書アート」、ひらの浪子「遠くの句碑・近くの句碑/愛知・杉田久女句碑」、赤石忍「俳句こぼればなし/選ばれる句・唱えられる句」、朝倉晴美「二十四節気を俳句で楽しむ/冬至」、千代女「俳句殺人事件簿⑫/隣の客」、武馬久仁裕「名句再発見/与謝蕪村ー『牡丹散て』の英訳を味わう」等々。
本誌本号より、いくつかの句を挙げておこう。
葱抜いて急に線路が近くなる 森澤 程
森深くモルナカ蝶の眠る郷 瀧澤和枝
追憶のトレードセンター霧の中 太田風子
柚子ちゃんを思う冬至の日暮かよ 朝倉晴美
雪片のああこんなにもかさならぬ 杉山久子
夏氷刹那に融けている地球 天海 楓(第46回黎明俳壇特選)
タンカーの南へ向かふ厄日かな 大山高正(第47回黎明俳壇特選)
秋時雨あなたと出会う少し前 武馬久仁裕
撮影・芽夢野うのき「うっすらと日が差すうたかた朝の岸」↑
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