石川青狼「雪暗(ゆきぐ)れの湿原列車から汽笛」(「幻日」第3号)より)・・


 「幻日」第3号(発行人 石川青狼・事務局 鮒橋郁香)、巻頭のエッセイは石川青狼(せいろう)「『くちびる山』吟行記」、それには、


   初夏の月放ちてくちびる山幼し   金子兜太

 平成十年(一九九八)六月七日、掲句の句碑が大雪山国立公園・然別湖畔(鹿追町)に建立され、句碑除幕式が行われた。あわせて祝賀句会と祝賀会が開催された。

 序幕は鹿追町長岡野友行様、金子兜太句碑建設委員会・鹿笛吟社加藤日射会長、「海程」山中葛子が行い、粛々と序幕の儀が行われた。

 落成式典には金子兜太主宰誌「海程」会員の道外からの参加者は「北の旅」ツアーが組まれ、安西篤、武田伸一、山中葛子、塩野谷仁、伊藤淳子ら主要同人三十名が参加。道内からは帯広市の鈴木八駛郎をはじめ、旭川市の加川憲一、十河宣洋、井出都子、釧路からは丸山久雄、福島昌美、堺信子ら十二名の参加があり、奥野ちあきも参列してくれた。


 とあった。ともあれ、以下に本誌より一人一句を挙げておきたい。  


  フラメンコ阿寒颪を踏み鳴らせ       石川青狼

  ひと品は天窓の月食卓に          子飼紫香

  ブランキストン線わが化身なるヒヨドリは  斉藤郁子

  原野煌煌浮き足の白虹           清水健志

  囀りやぜんまいの無きオルゴール    中村きみどり

  去年今年いま天辺の回転木馬(カルーセル) 西村奈津

  踏切にQRコード秋涼し          鮒橋郁香



★閑話休題・・宮川夏「なよなよもつんけんもせず寒椿」(第3回「浜町句会」)・・


 本日、12月18日(水)は、3か月ぶり、3回目の「浜町句会」(於:中央区・久松町区民館)だった。雑詠3句持ち寄り、句会の後は忘年会。

 以下に一人一句を挙げておこう。


  もみ殻の中に決意の林檎かな        武藤 幹

  今更とポツンと言って寒烏         宮川 夏

  漱石忌ときどき取り出してみる心     杉本青三郎 

  焼鳥は透きです前世は鳥ですが       石川夏山

  山茶花のこぼるるままの無人駅       石原友夫

  転生を信じてしまう日向ぼこ        白石正人

  この世にはないサンタクロースの欲しいもの 林ひとみ

  初夢やいつの間に新日本軍         杦森松一

  河豚鍋やつきあい長き恋敵         川崎果連

  蠟梅よ軍靴の音が聴こえぬか        村上直樹

  自動扉を凩無言で開けにくる        赤崎冬生

  冬枯れて野を行く風や大和路へ       植木紀子

  にんげんはけものとくらし あ、椿     大井恒行


次回、第4回目は、来年3月28日(金)午後1時30分~。場所未定。



       撮影・鈴木純一「大人びて名は何とやら四日月」↑

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