寺井谷子「秋灯かくも短き詩を愛し」(『現代俳句年鑑/2025』より)・・
『現代俳句年鑑’25』(現代俳句協会)、「現代俳句 諸家菌近詠」は、1560名/7798句であるが、現代俳句協会員のほぼ3分の1ほどの登載人数なのは、正直、少し寂しい気がしないでもない。あと500名近くの方が増えてもらい、約2000名ほど、つまり、協会員の半数近くを収録できたらよいと思うのだが…・俳句作品こそが、俳句界の活力、活性の源であることは、今も昔も変わらないはず・・。 是非、一人でも多くの方が、来年は参加してもらえれば、もっと充実した年鑑になると思う。ともあれ、以下に、協会賞関係の方々の句を挙げておきたい。
以為(おもえらく)あの世浮かれて凌霄花 寺井谷子(現代俳句大賞)
雪触るる眼のあり誰の孤燭ならむ 楠本奇蹄(兜太現代俳句新人賞)
春立てどテント燃やされるは止まず 十川長峻( 同 佳作)
砕けては組みた立つ LOGOの・屋根は青 とみた環( 同 佳作)
泣いている木 笑っている木 みな木 マブソン青眼(現代俳句協会賞)
死者生者噴水虹を生むばかり 村田珠子(現代俳句協会年度作品賞)
★閑話休題・・川崎果連「裸木をうっかり抱いてしまいけり」(第165回「豈」忘年句会・第9回攝津幸彦記念賞準賞(太代祐一)授賞式)・・
本日、11月30日(土)は、第165回「豈」忘年句会(於:白金高輪インドール)だった。 昼の部、句会は、2句持ち寄り。まずは、先日、11月22日(金)に死去した同人・高橋比呂子への黙祷を捧げた。句会後、夕刻より、懇親忘年会には、池田澄子、高山れおな、佐藤りえ、田中信克も加わった。合わせて、第9回攝津幸彦記念賞準賞・太代祐一(応募時28歳)の授賞式(正賞はなく)を行った。会は新同人の紹介、乾杯を池田澄子、中締めの一本絞めは高山れおなであった。愚生は、二次会のあと、董振華と中野まで一緒に帰った。
以下に句会での一人一句を挙げておこう。
銀河から星の干し場になってゆく 川名つぎお
一笑に付すべき野史や石蕗の花 董 振華
訪れる雪を採点する教師 太代祐一
豈の座や加減乗除の星の人 早瀬恵子
かたつむりむかし観音流れ着く 中嶋憲武
どんぐりの帽子ばかりの梢かな 妹尾健太郎
稔典の澁柿 OK牧場だ 筑紫磐井
寒卵
市に隠るる
擬卵かな 酒巻英一郎
きこりのろうそく覗く冬銀河 小湊こぎく
式日の鏡を閉す氷柱かな 南方日馬
納豆を煩悩の数混ぜてみる 伊藤左知子
前衛のノスタルジイのあゝダリア 林ひとみ
雪見障子に穴あけ神話覗き見る 山本敏倖
豈図らんや十一月の寧楽の風 堀本 吟
着膨れて百まで生きるつもりです 川崎果連
大野分こころやすらの海の底 中島 進
風果ての書屋の霜や津軽富士 大井恒行
鈴木純一「聖橋は時間をかけて白秋忌」↑
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