齋木和俊「山茶花散る『みみをすます』の詩を残し」(第179回「吾亦紅句会」)・・


  本日、11月22日(金)は、第179回「吾亦紅句会」(於:高松学習館)だった。兼題は「山茶花」。以下に一人一句を挙げておこう。


  山茶花や母屋に続く屋敷墓       佐藤幸子

  母逝くや遺影の八重歯小紫       須崎武尚

  街灯は金のランタン銀杏散る     折原ミチ子

  ゆく秋やダリやピカソや埴輪の目    牟田英子

  山茶花や垣根曲れば子等の声      関根幸子

  凩やジャズはアドリブクァルテット   齋木和俊

  駅よりの流れに乗りて酉の市      田村明通

  中尊寺寂々(せきせき)として小雪舞う 村上さら

  山茶花を散らして帰る宅配人      髙橋 昭

  亡き猫と敦賀の旅路初紅葉       武田道代

  山茶花や語りつがれし武家屋敷    吉村自然坊

  小春日や当てのないまま地図開く    西村文子

  さざんかや演歌ぎらいのへそまがり   渡邉弘子

  花美しき山茶花愛し歌となり     佐々木賢二

  湯けむりもすすきもみんな夢の中   三枝美枝子

  さざんかの咲く道子らの歌きこえ    笠井節子

  冬紅葉ライトアップにデート客     奥村和子

  小春とはなれず時雨れるきのう今日   大井恒行


 次回は、12月27日(金)、兼題は「短日」。


★閑話休題・・齋木和俊「アンバルワリア秋の稔は誰のもの」(「日本経済新聞・11月9日『俳壇』神野紗希選」より)・・


 吾亦紅句会の齋木和俊は、日本経済新聞・11月9日「俳壇」の神野紗希選に入選、そのコメントに、「和俊さん。アンバルワリアとはラテン語で豊穣の祭りを意味する。お米が行き渡らなかったこの秋、稔りの歓びを改めて嚙みしめる」とあった。



 目出度いことはさらにあって、西村文子は筆名・仁志村 文で第19回「ちよだ文学賞」大賞を「きょうを摘む」で受賞。選考委員は逢坂剛・唯川恵・角田光代。おめでとう!!



     撮影・中西ひろ美「十一月早くも色のあふれ初む」↑

コメント

このブログの人気の投稿

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

山本掌(原著には、堀本吟とある)「右手に虚無左手に傷痕花ミモザ」(『俳句の興趣 写実を超えた世界へ』より)・・

福田淑子「本当はみんな戦(いくさ)が好きだから握り締めてる平和の二文字」(『パルティータの宙(そら)』)・・