須藤徹「野分後太極拳が空気割り」(「現代俳句」11月号より)・・
「現代俳句」11月号(現代俳句協会)、主要記事は第25回現代俳句協会年度作品賞の発表である。年度作品賞の受賞者は村田珠子「霧の海」。 佳作は木村和也「さりさりと」と望月士郎「そらいろの空箱」であった。選考経過は宮崎斗士、選考委員評は岡田耕治、神田ひろみ、倉田明彦、木暮陶句郎、鈴鹿呂仁、田中朋子、松本勇二。他の連載記事に小野芳美「横山白虹と松本清張ー『眼の壁』『巻頭句の女』『時間の習俗』の句を中心に(2)」。巻頭エッセイの「直線曲線」に塩見恵介「俳句称美の基準三十項」。ともあれ、本誌本号より、いくつかの句を挙げておこう。
雪吊の溶暗までの禊かな 久保純夫
霧の夜の栞のごとき訃報かな 小林恭二
猫の目の碧を絞りて霜の朝 木暮陶句郎
にんげんが空に住む首都鳥わたる 江中真弓
一木一草夏霧の海の中 村田珠子
寒さうな水汲んでくる子どもかな 木村和也
8月の8をひねって0とする 望月士郎
ドイツ
まづヨハンの鵞鳥に名づけクリスマス 山崎秀貴
影のかたち違ふふたりの里神楽 川又 夕
虫しぐれ記憶がすり替えられてゆく 羽村美和子
狐の剃刀銭湯とうふ屋消えました 石橋いろり
秋風や右向け右は怖ろしき 山﨑十生
神話まで自転車でゆく小春午後 山本敏倖
★閑話休題・・山口明子「蹲(つくばい)にブリキの金魚秋に入る」(第71回三鷹市市民文化祭俳句会 文化祭賞)・・
本日、11月10日(日)、三鷹市中央防災公園・元気創造プラザ 四階ホールに於いて、第71回三鷹市市民文化祭俳句会が開催された。特別選者は愚生と津久井紀代。表彰式は改めて開催されるそうである。その他、特選、佳作などの作者名などは、三鷹俳句会(会長・根岸操)から、正式に広報されると思う。
愚生は、文化祭賞の句・山口明子「蹲(つくばい)にブリキの金魚秋に入る」は特選の次の佳作に選び、特選句としたのは、
地震(なゐ)の浜瓦礫の浜や雁供養 林 真志
の句であった。
撮影・中西ひろ美「立ち止まる音なき泪夫藍が愛しき」↑
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