関根幸子「秋の暮カステラ焼くよぐりとぐら」(第178回「吾亦紅句会」)・・


  10月25日(金)は第178回「吾亦紅句会」(於:立川市高松学習館)だった。兼題は「冷やか」。以下に一人一句を挙げておこう。


  冷やかなスマホの文字や喪の知らせ      西村文子

  冷やかやタッチパネルのの一人飯      折原ミチ子

  メロディちゃん呼ばれし少女花野行く    吉村自然坊

  秋冷の青梅渓谷水清し            齋木和俊

  長き夜や殺人犯はオランウータン       牟田英子

  花カンナ祈りのノーベル平和賞        田村明通

  野生馬の波うつ腹や秋の海          佐藤幸子

  店頭に「どぶろくあり」と筆太く       松谷栄喜

  冷やかに走る夜汽車の窓明り        佐々木賢二

  雨音を聞いて二度寝の小さい秋        笠井節子

  セザンヌの絵画のような林檎剥く       関根幸子

  寝つかれぬ深夜満月赤味帯ぶ         渡邉弘子

  ほのかな香色なき風が通り過ぎ        高橋 昭

  行く雲や軽トラのみの苅田道         奥村和子

  金木犀散歩の犬鼻くんくん         三枝美枝子

  秋高しいたわり合いて老いの起居       武田道代

  コンビニの先光りの夜食かな         村上さら

  秋蝶の触覚に付く赤き花           大井恒行


  次回は11月22日(金)、兼題は「山茶花」。


★閑話休題・・奥村和子「仏壇の前のみに置く夏蒲団」(図書館俳句ポスト・7月選句結果・お題「打水」又は自由)・・


 図書館俳句ポスト・7月選句結果(選者 太田うさぎ・岡田由季・寺澤一雄)に吾亦紅句会のメンバーが2人が入選(立川市高松図書館)していた。もう一人は、


  音もなく行き交う僧や蝉時雨     佐藤幸子



    撮影・中西ひろ美「小鳥来る今日の機嫌のカレー煮て」↑

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