齋木和俊「描くほどの孤に入る写楽秋思かな」(第177回「吾亦紅句会」)・・

 


  昨日、9月27日(金)は、吾亦紅句会(於:立川市高松学習館)だった。兼題は「野分」。以下に一人一句を挙げておこう。


  平曲を聴き終へ秋の闇に入る          齋木和俊

  紅葉や詩(うた)の器(うつわ)となりにけり 佐々木賢二

  秋リーグスタートシニアボウリング       渡邉弘子

  冷まじきユダヤの国の戰かな          須崎武尚

  曼殊沙華色なき風を赤く染め         吉村自然坊

  山や野の稔り急かせて野分き立つ        松谷栄喜

  空白の日記に挟む公孫樹の葉          武田道代

  ゴーヤ切るパカッと笑う朱(あか)い種     笠井節子

  野分来る期限間近な保存食           関根幸子

  人間は小さき者なり野分あと          牟田英子

  野分だつ少し多めの塩むすび          西村文子

  読みかけの本閉じられず夕野分         奥村和子

  背をまるめ米寿の夫や大根まく         佐藤幸子

  秋海棠小さな庭を一人占め           高橋 昭

  早朝の家族総出の秋の虹           折原ミチ子

  連休の野分の逆さ箒かな            田村明通

  百年の家のあかりも野分かな          大井恒行


 次回は、10月25日(金)、兼題は「冷ややか」。持ち寄り3句。



★閑話休題・・佐藤幸子「籐椅子に猫の尾たれる昼下がり」(「図書館俳句ポスト6月選句結果)より・・


 現代俳句協会主催/図書館俳句ポスト6月選句結果、お題は「短夜又は自由句」。選者は太田うさぎ・岡田由季・寺澤一雄に、吾亦紅句会の佐藤幸子「籐椅子に猫の尾たれる昼下がり」(立川市高松図書館)が入選していた。



     撮影・鈴木純一「からあゐは撃てのあひずを待ちきれず」↑

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