中尾壽美子「もう木ではなししぐれゐる流木よ」(「風琴」第二号より)・・
「風琴」第2号(風琴の会)、特集風の記事は、「結城万第一句集『小鳥のわたし』を読む」、論考に、もてきまり「一度死んだわたしの五・七・五」、皆川燈「〈生涯少女〉の物語」、一句鑑賞に五十嵐進、M.M、月犬、西谷裕子。
他に、腐川雅明「風琴スケッチ/創刊号を読む」、柴田獨鬼「雲水村始末記」、五十嵐進「フクシマから見えるもの②」、M.M「翻訳夜話(1)」、月犬「山茶碗と窯傷」、皆川燈「耕衣から径子へのハガキ」、関根順子「賢治の妹トシを巡る心象スケッチ」、皆川燈「第二句集『狩立』の頃―—中尾壽美子ノートその2」等、読み応えのある内容ばかり。
ともあれ、以下に、本誌本号より、いくつかの句を挙げておこう。
今年また暗殺未遂梅雨明ける M.M
野菊掘るそこはかとなき無聊 佐藤すずこ
夕もみぢ一期の夢の醒め際に 柴田獨鬼
備忘録なくしてしまった冬の蝶 関根順子
夕顔の花咲く闇を行けば闇
海月の海を照らす月光 月 犬
白蛇とことばをかわす白き指 西谷裕子
雪山で死んだ男は威圧的 三池 泉
母の母の名は花ほんのり春 皆川 燈
自転車走らす冬の朝こぶし 矢田 鏃
野蒜摘んだね訃報欄のアライくん 結城 万
外つ国の薬莢が前庭に墜ちる 五十嵐進
撮影・鈴木純一「やがて舞ふ火蛾とは述べず黄昏は」↑
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