豊里友行「原爆の日の甲子園のサイレン」(『地球のリレー』)・・
豊里友行第6句集『地球のリレー』(沖縄書房)、著者「あとがき」の中に、
「俳句で何を表現することができるだろうか。/僕は夢を語りたい。愛を詠いたい。そして生まれ育ったこの島を誇りにしたい。/既知の島の現実を直視し、それを乗り超えていく創造力の翼を広げ、自己表現をしていきいたい。」
そんな第一句集『バーコードの森』においての宣言は、私の句集『地球の音符』、『宇宙の音符』、『ういるす籠り』、『母よ』へたんたんと続いてきた。
俳句の創造力は、どれだけ私の想いを抱きながら私なりの世界を展開できただろうか。(中略)
しかし想うことは自由だが、言葉や行動にするとき、責任が伴う。
それは写真家としても私の常に現場に立ち合うことを重視してきた姿勢にも反映されてきた。
俳句も写真も楽しい。(中略)
これからも私なりの俳句問答をしながら俳句の初心を忘れずにいたい。
とあった。ともあれ、本集より、愚生好みに偏するが、いくつかの句を挙げておこう。
この言葉も刃懺悔の蓑虫 友行
月光が射す注射針の遺品ら
僕らの白シャツのどれも核ボタン
闘争は嫌っでで虫の角がいい
爆音を捲り続ける赤瓦
付箋紙の森で途切れる夢の痕
恐竜が吼え出す酷暑の地下鉄
蛇踏んじゃったフェイクニュースの海原
おきなわのふんばるさくら命(ぬち)どぅ宝
みな光る命(ぬち)どぅ宝甘蔗(きび)穂波
豊里友行(とよざと・ともゆき) 1976年、沖縄県生まれ。
★閑話休題・・『PEAGEFUL LOVE ROCK FESTIVAL オフィシャル写真集(監修:徳山義広・写真:豊里友行)』(沖縄書房)・・
本書冒頭の沖縄市長 桑江朝千夫「ごあいさつ」には、
「ピースフルラブ・ロックフェスティバル」は1893年の開始以来、これまで県内外を代表する著名なミュージシャン達がステージに立ち、市民、県民をはじめ、外国の方々など、多くのロックファンを魅了し続けてきました。中でも、常に観客の度肝を抜いた“ヒゲのかっちゃん“こと川満勝弘さんの圧倒的なパフォーマンスは、今でも語り草となっております。
そうした躍動するミュージシャンを永年に亘り,撮り続けてこられたのが、沖縄を代表する若手写真家として活躍する、本市出身の豊里友行さんです。(中略)
写真集には、かっちゃんやジョージ紫さん、宮永英一さんなど、沖縄を代表する、オキナワンロックのレジェンド達をはじめ、主演したミュージシャンの写真が多数収められています。(中略)
是非、多くの皆様に本写真集をご覧いただけることをご期待申し上げるとともに沖縄を代表する若き写真家の、今後益々のご活躍を祈念申し上げ、写真集発刊のお祝いのご挨拶とします。
とあった。
撮影・鈴木純一「夏空や翅を失くすと心まで」↑

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