齋木和俊「『にんげんをかえせ』と三吉、広島忌」(第175回「吾亦紅句会」)・・

  


 本日、7月26日(金)は、第176回「吾亦紅句会」(於:立川市高松学習館)だった。兼題は「打水」。以下に一人一句を挙げておこう。


  息災の母は百五の生身魂            須﨑武尚

  東屋に寄るデリバリー汗しぼる        折原ミチ子

  夏草や更地にかつて荒物屋           渡邉弘子

  白髪の美容師空に水打てり           牟田英子

  蟬しぐれ男時女時(おときめとき)の勝負あり  村上さら

  水打ちてディサービスを迎へけり        田村明通

  緑陰にそっと風待つ浮母車           高橋 昭

  水打ちてやがて一人の夕餉かな         佐藤幸子

  病む友とメール交信合歓の花          奥村和子

  日本(ひのもと)の春夏秋冬遠くなり     三枝美枝子

  梅雨さなか天寿全う猫逝きに          武田道代

  すすみつつ風にもどりつみずすまし       西村文子

  蟻の道ちょっといたずら小石おき       吉村天然坊

  打ち水や駄菓子屋子らの来る時間       井上千鶴子

  雷一閃忽ち浮かぶ眼下の景           松谷栄喜

  青い空アイス最中と夏の恋           笠井節子

  打水や人の足元冷すなり           佐々木賢二

  打水やときには天からもらい水         齋木和俊

  幼き日笑顔はじけるソーダ水          関根幸子

  生きるとは責めを負うこと草の花        大井恒行 

  

 次回は、8月23日(金)、兼題は「踊」。


★閑話休題・・図書館俳句ポスト4月選句結果・兼題「蜂」(現代俳句協会主催、選者は太田うさぎ・岡田由季・寺澤一雄)・・


 図書館俳句ポスト(現代俳句協会主催)・4月選句結果(選者は、太田うさぎ・岡田由季・寺澤一雄)に、立川高松図書館・吾亦紅句会から2名が入選に選ばれていた。


  汽車煙新樹にからむ大井川        山野草

  兄のくせ残る書込み花おぼろ      佐藤幸子


      撮影・鈴木純一「夏が来て誰もいないが指をさす」↑

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