杦森松一「玉音の八月の空何色か」(第61回「ことごと句会」)・・


 本日、7月20日(土)は、第61回「ことごと句会」(於:ルノアール新宿区役所横店)だった。兼題は「火」。東京は、梅雨明けから続く摂氏35度の猛暑日。以下に一人一句を挙げておこう。

  花冷えや遺品の中に手紙あり      武藤 幹
  大螢ガザの火を消せ灯を灯せ      村上直樹
  別れの手紙だった線香花火       渡邉樹音
  半夏生夜目にも白き手を挙げて     渡辺信子
  斜め四十五度長生きのコツ線香花火   石原友夫
  朝日浴び一声かけて花南瓜       杦森松一
  心太掬う乱反射掬う          江良純雄
  凌霄花ロートに文月の雨をため     金田一剛
  夏は光と波 床に動かぬ魚       照井三余
  打ち水や袖触れ合うも他生の縁     大井恒行

 

 ★閑話休題・・山内将史「寒月光直立不動の歌手ありき」(「山猫便り」2024年7月5日)・・


「山猫便り」は、山内将史個人の葉書通信である。それには、


(前略) ふらふらと草食べている父は山霧  西川徹郎『町は白緑』

 「山霧」のい発音に「山羊」が隠れている。か弱く足もとおぼつかなく迷子のような父と山霧と山羊が三重写しに見える。

 安井浩司さんは葉書に「貴作にふと戦前歌謡の大家、東海林太郎を想いました。彼は此の秋田出身にて我が日頃の散歩道に銅像が建っております。貴作に出会い心が躍りました」と書いてくれた。自慢。


 とあった。


     撮影・鈴木純一「乗せまいる茄子や胡瓜に母おとと」↑

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