石川青狼「幻海や群来(くき)る群来(くき)ると海猫の渦」(「幻日」第2号より)・・

 

  「幻日」第2号(発行人 石川青狼/事務局 鮒橋郁香)、巻頭エッセイに石川青狼「『碧梧桐と幣舞会(へいぶかい)』の序」。その結びに、


 (前略)大沢高嶺二十一歳、菊地無花果二十歳、最年長で事務局の田村芦城二十五歳と血気盛んな青年たちは、鳴雪、露月、碧童らの選を仰ぎながら一年有余、四十一年(愚生注:明治)夏迄活発に活動したが、入営、移転などの事情で消滅したことは惜しまれる。しかし、釧路俳壇に強烈なカンフル剤を注入した事に意義があったのではないか。


 とあった。ともあれ、本誌本号より、いくつかの句を挙げておきたい。


  海に向く蕗の薹らの強情よ        石川青狼

  助手席にYAZAWAのタオル師走来る    子飼紫香

  リモートの学びの小部屋囀れり      斉藤郁子

  月の気配がしたすっかり見られた     清水健志

  寒晴れや矢羽根の逆をゆく鷗     中村きみどり

  レントゲンに写らぬ自負や鰯雲      西村奈津

  秋暑し歌詞は何度もby the way      鮒橋郁香



           ギャラリービブリオ主人・十松弘樹↑

★閑話休題・・「国立うちわ市」(於:ギャラリービブリオ)~6月25日(火)まで(入場無料)・・

            御座敷ワンマンライブ・オオタスセリ↑



 チラシに、国立ゆかりのアーティストが、手描きのうちわで大集合!とあり、出演者は総勢21名。で、会場は国立駅から徒歩3分ほど、愚生は散歩がてらに寄らせてもらった。午後三時からオオタスセリが、ギャラリー内の別の芙蓉の間で行われる「御座敷ワンマンライブ」(60分1000円・定員12名)に、最後の一席がまだあるというので、滑り込ませてもらった。思わぬ出会いに楽しい時間をもらい、過ごした。



 撮影・芽夢野うのき「夢の中夢の凌霄花(のうぜん)揺らす君」↑

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