田中裕明「万年筆時雨に冷えてありにけり」(「静かな場所」第31号より)・・
「静かな場所」第31号(発行人 対中いずみ)、招待作品は岩田奎「軍」と田中裕明の一句鑑賞「ここに岡本太郎のオブジェ三尺寝」。他に、柳元佑太「連載 田中裕明論(8)/『夜の形式論②』。また、森賀まり連載エッセイ(2)「裕明の万年筆」。その森賀まりのエッセイの中に、
ベッドにてペンを走らす子規忌かな 『夜の客人』
『先生からの手紙』は目次の裏に「Mへ」という献献辞ある。Mは私だと思われもするしそうかもしれない。だがイニシャルという曖昧さのなかにふと彼が「Mへ」と呼んでいた万年筆も含まれている気がする。若い頃はいつも持っている万年筆にモンブランはない。ずっと思っていたのかもしれないし彼の義理に篤いところが出ている感じもする。
とあった。ともあれ、本誌本号より、いくつかの句を挙げておこう。
初氷あゆめばもろき蝶結 岩田 奎
しばらくは地をついばみて鳥交る 藤本夕衣
茸山会釈と分かるほどの距離 満田春日
気の抜けし風船葛つまみけり 森賀まり
その人がわたしのやうで墓を洗ふ 対中いずみ
たはぶれに美僧をつれて雪解野は 田中裕明
★閑話休題・・「生命の尊厳」(於:ギャラリーK)2024.3.18~3.30・・
李鐘協・大串孝二・河口聖・樋口慶子・宮塚春美「ー生命の尊厳ー」(於:ギャラリー)3月18日(月)~3月30日(土)11時~18時(最終日16時まで)。
ギャラリーKのアクセスはJR武蔵野線、京葉線・南越谷駅徒歩7分。東武スカイツリーライン、日比谷線、半蔵門線・新越谷駅東口徒歩7分。
ギャラリー斜め向かいの「きっちゃてん」は40年以上の店、ギャラリーKのオーナーの長男ご夫婦が2代目らしい。で、ブレンドコーヒーはマイルド、上手い400円。
撮影・中西ひろ美「啓蟄のえんぴつはよく転がって」↑
コメント
コメントを投稿