折原ミチ子「短冊の薄き押し花啄木忌」(第171回「吾亦紅句会」)・・


  本日、3月22日(金)は、第171回「吾亦紅句会」(於:立川市高松学習館だった。兼題は「耕し」。以下に一人一句をあげておこう。


  落ち椿残りし咢(がく)の空虚かな    齋木和俊

  水彩の筆軽やかに春の水         佐藤幸子

  梅安の闇の正義や針供養         須崎武尚

  婚約のととのいし日や初桜        渡邉弘子

  風光るキラキラネームの出席簿      関根幸子

  耕して耕してなお夕の月        三枝美枝子

  桃蕾(つぼみ)エクボのような四分音符  笠井節子

  ストックの香りのせいよ眠れぬ夜     牟田英子

  開墾や甘きことばに海渡る       吉村自然坊

  春耕や北の空にはミサイルが       松谷栄喜

  葉芽花芽わからぬままの雑木の芽     田村明通

  梅東風や介護の日々の懐かしく      武田道代

  出不精のドアを叩くや春の風       西村文子

  もくもくと畑耕す深きしわ        村上さら

  耕せり畑に置かれし猫車         奥村和子

  トーストの焦げゆく匂い春炬燵     佐々木賢二

  予報士の日替りの春ショール      折原ミチ子

  父母の墓花かざられし彼岸かな      髙橋 昭

  アスファルト割れ目に春のみどりあり  井上千鶴子

  憂き我を留めおかざる落花かな      大井恒行


 次回は4月26日(金)、兼題は「蟻」、「住」(高松学習館文化祭テーマ)。

因みに、先日の「朝日俳壇」小林貴子選に、須崎武尚「『鬼は好き』ささやく君の鬼やらひ」が入選したという(慶賀)。

  


      撮影・中西ひろ美「佐保姫の色のはみ出すつむじ風」↑

コメント

このブログの人気の投稿

救仁郷由美子「遠逝を生きて今此処大花野」(「豈」66号より)・・

小川双々子「風や えりえり らま さばくたに 菫」(『小川双々子100句』より)・・

福田淑子「本当はみんな戦(いくさ)が好きだから握り締めてる平和の二文字」(『パルティータの宙(そら)』)・・