福田淑子「黒々と初夢と書く子らの筆」(「花林花」2024)・・


 「花林花」2024(花林花句会)、「花林花の作家・その十二」は福田淑子、その他、特集めいた記事は「追悼 齋藤愼爾」と「俳人研究 柿本多映」。エッセイに各同人の「自句を語る」、「花林花二十句」「花林花鑑賞」などがある。ともあれ、本書より、いくつかの句を挙げておこう。


      追悼 杉浦光子

  人死んで島影はるか金魚玉      高澤晶子

  午前のとんぼう午後の赤とんぼ    廣澤田を

  黄昏に死者を呼び寄せ白木槿     榎並潤子

  ぶらんこを下りて照準合わせたり   石田恭介 

  濃緑のミニカボチャ精巧なる秋思   金井銀井

    (在京の)川平朝清氏の「風車祝」で

  カジマヤーあやかりびとの五百余と  島袋時子

  万有のしんがりとして芽吹きたり   鈴木光影

  重陽や九十一の恩師の報       福田淑子

  ひねくれて金魚の奴のへの字口    宮﨑 裕

  焚火する種火の新聞紙匂う      杉山一陽

  天使の輪隠しはにかむかんかん帽   渡邊慧七

  光放つが最後の思想白芒       齋藤愼爾

  国淋し団子虫など増えて増えて    柿本多映



      撮影・芽夢野うのき「宇宙混沌赤い冬の実弾くとき」↑

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