白石正人「ノトノクニ/今/悴メル/手ノカタチ」(現代俳句協会・第19回「金曜教室」)・・


  本日、2月16日(金)は、現代俳句協会・第19回「金曜教室」(於:現代俳句協会会議室)だった。愚生の担当する「金曜教室」も残るところ、次回3月の一回となった。本日の宿題は、多行表記の句を作る、ということであった。面白く、苦心のあとのうかがえる作品が集まった。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


  生きるとは

  結論

  しずかなる寝息         石原友夫


  うみななつ

  なみのなないろ

     つばめ魚          林ひとみ 


  誤字脱字

       校正無用

            飛花落花   川崎果連


  春一番

  割れば

  卵に黄身ふたつ          村上直樹  


  煮凝りの

  舌に溶けたり

  妻の留守             武藤 幹


  雪ー雪

  分水嶺の搾りたて         杦森松一


  ダリ展を

   観て来て春の

      時計歪む         赤崎冬生 


  流木に

  かすかな温み

  春めけり             籾山洋子


  室戸岬

  ニライカナイへ

  月の道             石川夏山


  虫の声

  愛でる左脳に

  広がる宇宙           植木紀子


  

  へと逃れし

  民に戻れ

  北               岩田残雪


  眼球ヲ

  抉ラレ

  曼荼羅

  万華鏡             白石正人


  吹雪たる

  地に

  足焼きし

  裸足の子            大井恒行


 愚生担当の次回「金曜教室」は最終回、3月15日(金)、雑詠2句持ち寄りです。



★閑話休題・・「春の歌よみ展」(於:STAGE-1)・2月12日~2月17日(土)最終日16時まで・・


 俳句 川柳 短歌 回文 絵手紙「春の歌よみ展」。参加展示者は、市原正直・楳本典子・おのみん・加用章勝・小池政光・佐佐木あつし・田島光枝・田中晴久・夏石番矢・野谷真治・乾佐伎・エディ上枝・鎌倉佐弓・木村哲也・小藤康人・高津葆・田島靖浩・種村国夫・西元利子・久留素子。



       撮影・中西ひろ美「浅春の種をおとして針葉樹」↑

コメント

このブログの人気の投稿

救仁郷由美子「遠逝を生きて今此処大花野」(「豈」66号より)・・

小川双々子「風や えりえり らま さばくたに 菫」(『小川双々子100句』より)・・

福田淑子「本当はみんな戦(いくさ)が好きだから握り締めてる平和の二文字」(『パルティータの宙(そら)』)・・