安部いろん「風が鬨覚えていたる瓶原(みかのはら)」(「歌枕の句会」)・・




  本日、1月28日(日)は、「歌枕句会」(於:国分寺・殿ヶ谷庭園紅葉亭)だった。招請状には、


 『歌枕辞典』(東京堂出版)の〈はじめに〉には、「歌枕」は架空の地であると言って良いのかも知れない、とも書かれています。いかがでしょう「歌枕」という題詠で架空の地に遊んでみませんか?  (幹事・中西ひろ美)


 とあり、開会では、これで、「枕詞句会」「前書き付句会」、そして今回の「歌枕句会」で、ひとまず三部作の句会となります、と中西ひろ美が述べた。愚生にとっては、今回の「u歌枕」使って俳句を詠むというのが一番難しかった。面白いのは、なかでも、歌枕と枕詞の区別が分からない句もあった。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


  ひとを見る目のないひとの袖のうら(そでがうら)   鈴木純一

  筑波嶺(つくばね)の淵を見たさの裸木は          中西ぎろ美

  外ヶ浜(そとがはま)ところどころの枝の数      松本光雄

  能登は豪雪ゴドーを待ちながら           安部いろん

  ぬばたまの冬の金魚はすぐ沈む           ますだかも

  蝦夷(えぞ)の夏滅びし者の列に着く         瀬間文乃

  寒紅やうらみつらみの二見浦(ふたみうら)      中内火星

  逃げ水の逃げかくれたり相模原(さがみはら)     大井恒行



     撮影・中西ひろ美「北風は春をさがしているのでる」↑

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