善野烺「はらからの悲哀解かむ青岬」(「岬」創刊号)・・
「岬」創刊号(岬の会)、その善野烺「編集後記」に、
五名の同人を得て、新しい俳句誌が出発できましたこと、先ずはうれしく、ほっとしております。(中略)
同人相互が俳句作品はもちろん、文学表現、また社会事象批判を深め、よりよい、自由と平等と平和を追求する言説の発信の拠り所ともなれば、幸いです。
とあった。また「俳句同人誌『岬の会』創設趣意書及びよびかけ」の中には、
(前略)ただし、私たちは、たとえ五・七・五の韻律が「奴隷の韻律」(天皇制)であったとしても。その韻律の中にたしかに存在する普通の民の情感詠が、必ずしも(天皇制)に紐づけされるとは考えません。
むしろその五・七・五の「奴隷の韻律」を逆手に取り、差別・排外を再生産しつづける(天皇制)文化とは無縁の、さらに言えば、その岩盤に一つの穴を穿つような俳句表現を模索したいのです。
ともあった。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
鯉幟一気に稜線跳ね上がる 新田 進
憲法守れの街宣玉の汗 小畑広士
罪人の腰紐重し蛇の衣 上田耕雨
悼・中村哲氏
寒き夜や熱と光でありし人 善野 烺
入道雲遠く空から狙ってる 黒田一美
★閑話休題・・野澤節子「冬の日や臥して見あぐる琴の丈」(「俳人『九条の会』通信」より)・・
2023年4月15日(土)、「俳人『九条の会』新緑のつどい」(於:北とぴあ)が開催された。記念講演は、望月衣塑子「軍拡。増税‥‥、戦争する国を目指す岸田政権~問われるメディアの役割~」、日下野由季「いのちの俳句ー野澤節子ー」。来年は、2024年4月13日(土)午後1時~、北とぴあに於て行われる予定である。記念の講演は、写真家・大野芳野「俳句も写真も心のレンズ」、俳人・堀田季何「想像を促しうるもの」。参加費1000円の予定。主催は「俳人『九条の会』」。
われ病めり今宵一匹の蜘蛛も宥さず 節子
刃を入るる隙なく林檎紅潮す
春灯にひとりの奈落ありて坐す
鈴木純一「こむらさき架空の道をみちなりに」↑
コメント
コメントを投稿