川名つぎお「八方の闇が宇宙の肺であり」(第159回「豈」忘年句会)・・

 


  本日は、午後から、隔月開催の第159回「豈」忘年句会、そして夕刻から、攝津幸彦記念賞の授与&懇親会(於:インドール)であった。遠路、四国丸亀から中島進、大阪から冨岡和秀、攝津幸彦記念賞准賞の斎藤秀雄が福島から参加された。2句持ち寄り雑詠。以下に一人一句を挙げておこう。


  晩鐘や言霊すでに冬紅葉        山本敏倖

  方法と狂気をはらみ筆走る       冨岡和秀

  ターバンのビーズこぼれし冬北斗   伊藤左知子

  信心でまはる地球や大焚火       川崎果連

  

  裁入りて

  月下は

  月の埃とぞ             酒巻英一郎


  果てありと泳ぐ海獣葡萄鏡       堀本 吟

  棟梁の木遣に舌を巻く凩       妹尾健太郎

  蓮の骨いきなりサビから入り来る   羽村美和子

  ささなみよ湖にあなたの手を破り    斎藤秀雄

  夜の花階段を落ちゆくはてしなく    北村虻曵

  身になつく十一月の縄文杉      川名つぎお

  白杖(はくじょう)の響(ひび)き濁(にご)らす落葉(おちば)かな

                              千寿関屋

  かと言って二十歳の写真雪螢     小湊こぎく

  冷たさや水通りゆく胸の今       中島 進

  あおによしはなかえでなどしきつめて 髙橋比呂子

  豈の座はフレッシュレモンのことば風  早瀬恵子

  三人去りひとりが消えて冬の枝     大井恒行  


★以下は、5時より行われた懇親会の模様を写真でランダムに挙げておこう。










  昨年・攝津幸彦記念賞正賞の なつはづき(中央)、本年准賞受賞の左側・川崎果連と右側・斎藤秀雄↑



        撮影・中西ひろ美「新旧のどちらに座る小六月↑

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