石原友夫「(前書あり・・)パート終え紅引き直し秋夕焼」(現俳・第18回「金曜教室」)・・


 本日、11月17日(金)は、現俳・第18回「金曜教室」(於:現代俳句協会会議室)だった。今回の宿題は、前書きの句を作ってくる、というものだった。グログタイトルにした句は次の通りである。


    シングルマザーの一ヶ月平均生活費は二十三、二万円

    (二〇二二年度統計局家計調査による)

  パート終え紅引き直し秋夕焼           石原友夫  


    自己模倣回避トライアル

  切り口を変えても芋は芋だった          川崎果連 


    元文学青年のヤクザ、健。

    懲役十三年の刑期を終え、網走刑務所を出獄の朝、詠める

  目もあやな娑婆に出た日の初紅葉         武藤 幹


    小生は「豈」入会条件に適う「超過激な後期高齢者です」

  作っても作っても駄句もうグレてやる       村上直樹


    地球四六億年地球支配者の歴史書を垣間見て…

  冬銀河ヒトという種が滅ぶまで          石川夏山


    私のこと不幸な女と思ってるでしょ。実はね…

    弘子二〇二二年十二月没、享年八十八。

  蜜豆や姉に秘密のふたつみつ          石原友夫


    「摂食」は生命を維持するために食べることを言い、

    「喫食」は食事を楽しんでおいしく食べることを言う。

  摂食は熊喫食の明け鴉             白石正人


    星に願いを月に望みを

  満月に彷徨う民の無事祈る           植木紀子


    葬式も墓も、遺族の意向が大きい。本人の思いが通るのは幸せ。

  虚子治林太郎墓後生冬麗            山﨑百花


    ー叔父の命日にてー

  満州は叔父の暗がり敗戦記           赤崎冬生


    琉球の重要無形文化財を巡りて

  母が織る娘も孫も老刀自も           岩田残雪

    染織指定六か所のうち喜如嘉芭蕉布、宮古上布、久米島紬は沖縄です


    鎌倉東勝寺跡

  塔一基の腹切やぐら冬日さす          籾山洋子


    A級戦犯散骨さるるの公文書発見の報に

  山梔子や太平洋の骨七士            林ひとみ


    竹田城跡にて

  雲海に我が影を置き凍える手          宮川 夏


    認知症の母の日常

  炬燵出てスリッパ無いと呼ぶ母         杦森松一


    巷では、高点句の果連と名を馳せているらしいが、

    案外、高点以外の句に佳いのがある。

  大いなる誤解の人や黄落す           大井恒行


次回は12月15日(金)、雑詠2句持ち寄り、忘年会も予定されている。



★閑話休題・・山口晃「ここへきてやむに止まれぬサンサシオン」(於:アーティゾン美術館・石橋財団コレクション)・・

                   山口晃↑

 

 先日、大谷清・津のだとも子「VISONする・かたち」展を出たごく近くに偶然通りかかった。見るとチェックしていた展覧会だったので覗いた。「創造の現場/映画と写真による芸術家の記録」&山口晃「ここへきてやむに止まれぬサンサシオン(於:アーティゾン美術館~11月19日まで)。



        芽夢野うのき「さびしげけだるし白薔薇に小春」↑

コメント

このブログの人気の投稿

救仁郷由美子「遠逝を生きて今此処大花野」(「豈」66号より)・・

小川双々子「風や えりえり らま さばくたに 菫」(『小川双々子100句』より)・・

福田淑子「本当はみんな戦(いくさ)が好きだから握り締めてる平和の二文字」(『パルティータの宙(そら)』)・・