笹木弘「風の径幾つもありし大花野」(第59回 府中市民芸術文化祭 俳句大会)・・
昨日、10月22日(日)午後は、第59回府中市民芸術祭「俳句大会」(主催・府中市芸術文化協会/共催・府中文化振興財団/主管・府中市俳句連盟)だった。会場は、府中市民活動センタープラッツ6第5会議室。ジャズイン府中と重なって、町中いたるところで、ジャズの演奏に人だかりができていた。好天に恵まれ、何よりの気候だった。
俳句大会の主選者は本杉康寿、他の選者は秋尾敏・大井恒行・岡本久一・倉本俱子・佐々木いつき・清水和代・野木桃花・星野高士・前田弘・松川洋酔・松澤雅世・山崎せつ子・吉田功・笹木弘・米山多賀子。ここでは、ぜんぶの句を紹介しきれないので、市内の部と市外の部の上位3句のみを挙げておきたい。
兼題・市内の部
1位 風の径幾つもありし大花野 笹木 弘
2位 三人の案山子に任す田圃かな 松本富美子
3位 夏休みまだ水色の予定表 佐久間麗子
・市外の部
1位 青空の底なき深さ木の実降る 藤岡尚子
2位 お揃ひを着て付揃ひの踊りの輪 美野輪 光
3位 秋の灯やひとつは吾を待つ灯し 横山由紀子
ボクの選んだもう一つの特選句は、
ざらついたまま八月の一行詩 田中朋子
また、当日の句会も行われ、席題に「新米」「栗」が出された。以下にいくつかを高点順に挙げておこう。
新米を天こ盛りして仏壇へ 井垣かつ江
大釜の底のこげ目や栗の飯 島崎栄子
北斎と栗の匂いの小布施かな 笹木 弘
新米や少年の脚伸びやかに 藤岡尚子
父がゐて母のゐた日の栗御飯 本杉康寿
ふるさとの新米届く兄逝きて 美野輪光
変わりなく届く筑波の今年米 浦野三枝
山栗を踵でふみて剥き名人 佐久間麗子
毬栗の割れて顔出す二つ半 北尾千草
新米を両手ではかるお母さん 栗田希代子
空晴れて毬(いが)より栗のはみ出せり 山崎せつ子
追而沙汰あるまで待てと虚栗 田頭隆徳
新米の神(しん)米として光り増す 大井恒行
★閑話休題・・10月29日(日)午後2時~大井恒行講演「高屋窓秋について」(於・武蔵野スイングホール11F)・・
来る10月29日(日)午後2時より、武蔵野スイングホール11F(JR武蔵境駅北口2分)に於いて、東京都多摩地区現代俳句協会俳句大会記念講演、「高屋窓秋について」を行います。気楽にご参加いただけます。俳句大会への投句の有無を問わず、また現代俳句協会会員外の方でもオーケーです。聴講は無料です。ご案内まで・・・。
鈴木純一「辛夷の実鼓舞し呑みしは古武士のみ」↑
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