清水伶「虚栗踏んで攝津の忌を修す」(『素描』)・・
清水伶第3句集『素描』(本阿弥書店)、著者「あとがき」には、
句集名『素描』は、〈鶏頭を素描にすれば荒野なり〉の句から採りました。わたくしの信仰の要である聖書の言葉、「荒野」を覚え、素描の域である句群を思い、句集名としました。
とあった。 ともあれ、愚生好みに偏するが、いくつかの句を挙げておきたい。
朧夜の遠き情死にとりまかれ
烏瓜の花の夕べは父が逝く
春あかつき水の軀を放し飼い
約束の数を下さい冬の薔薇
太宰忌のまったきしろき腓かな
「絶対本質の俳句論」なり白山茶花
たましいの誤植をふやす花ざくろ
シリウスに無数の涙レノンの忌
薔薇園にブラックホールの夜空かな
榧の実を蹉跌のごとく噛みいたる
父の遠耳母のはやみみ寒昴
蜻蛉生る風ことごとく父の私語
清水伶(しみず・れい) 1948年、岡山県生まれ。
★閑話休題・・「柚木沙弥郎と仲間たち」(於:日本橋髙島屋本館8階、~9月25日〈月〉まで)・・
昨日、「黒田杏子さんを偲ぶ会」のあと時間が少し出来たので、「柚木沙弥郎(ゆのき・さきろう)とその仲間たち」(於:日本橋髙島屋8階、~9月25日〔月〕まで〉に寄った。
柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)、1922年、東京生まれ。101歳にして、なお現役。チラシの紹介には、「柳宗悦の民藝の思想と芹沢鮭介の型染めカレンダーに出会い感銘を受け、染色家の道に進む。型染による染布、染絵などの作品を制作。絵本の仕事や立体作品、グラフィックの仕事にも取り組む」とあった。
芽夢野うのき「しろがねよしさん天晴な吹かれぶり」↑
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