川崎果連「叩かれる前の西瓜の丸さかな」(現代俳句協会「金曜教室」16回)・・



 

 9月15日(金)は、現代俳句協会「金曜教室」通算16回(現代俳句協会会議室)だった。前半は当季雑詠2句出句の句会。後半は、攝津幸彦一周忌、全句集出版記念会のために旭通信社の方々が作ってくれた「言霊の旅人ー攝津幸彦の生涯」、これは、今日初めて知ったのだが、その「攝津幸彦を偲ぶ会」(1997・11・29、於:日本出版クラブ会館)の模様も収録されていた。愚生の髪もまだ黒々としていた司会姿、そして、当日の挨拶の宇多喜代子、三橋敏雄、加藤郁乎、澤好摩、佐藤鬼房、仁平勝、また、会社・旭通信社(アサツー)の方々など、懐かしくも思い出されて、幸彦夫人・攝津資子のじつにしっかりした挨拶を聴いていたら、少し熱くなった。しかも、そのビデオ映像の最後は、奇しくも、当時の阪神タイガーズ優勝、会社での猛虎会会長だった攝津幸彦を送るに、「六甲おろし」の大合唱で締めくくられていた。その模様を記録した、愚生のところにあったビデオをDVDにダビングしてもらったのを皆さんに見ていただいたのだ。

 ともあれ、以下に一人一句を挙げておきたい。


  貧乏だから「ガリガリ君」と避暑をした    村上直樹

  黙禱のあとの空白八月尽           武藤 幹

  花野ゆくピエロの父は化粧のまま       赤崎冬生

  記憶全て神へ還るや秋うらら         山﨑百花

  身に沁むや陸のほうかねそれとも鹿      岩田残雪

  満月を独占したる相模灘           籾山洋子

  秋暑しひっついてゐる花林糖         林ひとみ

  大空へ弓なりに反る鰡の跳ね         杦森松一

  秋暑しこむらがえりの土俵際         川崎果連

  どうしても着かぬ道順ぎすの鳴く       白石正人

  勝ち虫の飛び交う空やUー18        植木紀子

  関ケ原越えて近江へ鷹渡る          宮川 夏

  幻聴のオオシマゼミは好色か         大井恒行 


 愚生のみが唯一点を入れた句は、


  仲見世は秋国籍のバザールぞ         白石正人


 だった。次回、10月20日(金)は、雑詠2句持ち寄り。



     撮影・中西ひろ美「あなたにも大きな謎の花が咲く」↑

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