笠井節子「葡萄葉(ぶどうは)の日ごと枯れゆく実はたわわ」(「吾亦紅句会」)・・

 

 本日8月25日(金)、これから、愚生がお預かりすることになって初めての「吾亦紅句会」およそ第170回(於:立川市高松学習館)であった。愚生を含めて、みな高齢者なのだが、明るくて、元気がよい。兼題は「稲妻」。以下に一人一句を挙げておこう。


  寝袋と青春切符 夏休み            田村明通

  語り部の戦史聞き継ぐ仏桑花(ぶっそうか)  井上千鶴子

  稲妻の暗号めいた幾何模様           西村文子

  戦争に馴れてはならぬ敗戦忌          齋木和俊

  折鶴が教えてくれる広島忌           関根幸子 

  君といる見過ごすまいと流れ星         村上サラ

  横丁より太鼓鳴りだす秋まつり         佐藤幸子

  新涼や眼(まなこ)つぶらな赤児(あかご)あふ 奥村和子

  薄雲の空広ごりて秋初め            松谷栄喜

  向日葵の右へならいの閲兵式         吉村真善美

  下駄箱の干し玉ねぎや園の軒         折原ミチ子

  ビームなど発せし仁王炎天下          牟田英子 

  つまようじ又の呼び名はパパ留守番      三枝美枝子

  稲妻やピカリ閃(ひらめ)き急ぐ旅      佐々木賢二

  夕闇を引きさくような稲光           高橋 昭

  落蟬は生の糧なる仏かな            須崎武尚

  夏雲と黒雲空を分けにけり           渡邉弘子

  鎮魂と平和よ永久に終戦日           武田道代

  夜半には時刻正確虫の声            笠井節子

  青山(せいざん)の嶺越えてくる稲光      大井恒行




 次回は9月22日(金)、兼題は「蜻蛉」。因みに立川市高松図書館・学習館の通路には、現代俳句協会の三名の選者(太田うさぎ・寺澤一雄・渡邊樹音)による「図書館俳句ポスト/図書館で俳句の投句をしてみませんか?」(上掲写真)のお題「母の日」・「自由題」の特選句に吾亦紅句会の牟田英子が掲載されていた。


  母の日と云ふくすぐつたき一日    牟田英子


とあった。



     撮影・中西ひろ美「秋遍路そろそろそんな風も吹き」↑

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