牟田英子「草刈の匂い満ちたり河川敷」(「立川市保健講座「俳句を楽しむ」最終回)・・

 

 立川市保健講座「俳句を楽しむ」(於:立川市柴崎福祉会館)は、6月、7月で計4回開催された。その最終回だったので、プチ吟行句会を行った。福祉会館の傍は、多摩川なので、炎天下、各自で暑さをしのいでもらいながら、少し早めに来て、5~6分散歩していただいて、基本は嘱目吟(ただ、前回お休みの方もいらしたので、その辺りは緩く)の吟行句会を行った(吟行にも弱い愚生は見事無点だった)。

 また、俳句をまだまだ続けたいという人もおられたので、本受講者のなかで、長年、「吾亦紅句会」という、もともと立川市の講座をもとに立ちあがった句会(13年ほど前から)があり、指導者が亡くなられ、愚生が8月から、その句会の選者を引き受けることになったので、数名の方が、その吾亦紅句会で続けられるようである。

 ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


  多摩川の気配を奪ふ猛暑かな        田村明通

  灼熱の空に悠々浮かぶ雲          西村文子

  草むらをはかない生命(いのち)蟬歩む  笹渕美恵子

  日のひかり楽しむごとき百日紅       古池りえ

  母に会うひまわりかかえ墓参り        サ ラ

  母逝きし六十年の走馬燈          市川栄子

  炎天に苦悶熱死の蚯蚓(みみず)かな    和田信行

  若竹や老いの学びの楽しけれ        甲斐千里

  粋な女(ひと)年に一度の名古屋場所   三枝美枝子

  門柱を紅白で飾るさるすべり        奥村和子

  梅雨明けて青空高く麦茶かな        笠井節子

  炎昼のマウンド今は無人なり        牟田英子

  炎暑とて野球場あり多摩河原        大井恒行


 最終回なので、愚生のみ、天・地・人の句に、お土産を付けたのだが(「俳句入門」と同人誌)、愚生が天に採った句は、愚生しか点が入らなかった。その句を以下に挙げておこう。


  あらここにのういぜんかづら見えかくれ   三枝美枝子



        撮影・中西ひろ美「覗かれて蕗の国らしき繁盛」↑

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