鳥居真里子「水中に唄ふ天女の手毬かな」(7月28日/金・17時~:於:本行寺ライブ)・・
「天女の手毬/魂の十七音」(プロヂュース/加茂一行)、チラシには、
2023.7.28(金)、開演17:00(開場16:30)
会場 長久山本行寺(月見寺) JR日暮里駅北改札口を出て左、西口から1分
TEL:033821-4458 西日暮里3-1-3
出演‥‥
🔷鳥居真里子(俳人・「門」主宰)
🔷蜂谷真紀(シンガーソングライター、ボーカリスト、ボイスパフォーマー、ピアニスト)
🔷竹内直(テナーサックス、フルート、バスクラリネット)
■申し込み チケット3500円(当日。予約共同じ)、
予約申し込みTEL&FAX03-3882-4210(鳥居)
・飲み物はペットボトルをご持参下さい。
また、惹句には、
日暮里の本行寺別名は月見寺。七月の日暮れ、月から天女たちが舞い降ります。
鳥居真里子と蜂谷真紀。奔放に、自在に彼女たちを舞わせるのは武田直の楽の音。
歌声から俳句が生まれ、言葉から音楽が鳴り渡ります。
水中に唄ふ天女の手毬かな
これは前回の顔合わせから生まれた一句。
さて迦陵頻伽(かりょうびんが)とは極楽に住む人面の鳥。美しい鳴き声で知られます。その鳥を思わせる言葉と音が青い月夜に満ちて行くのです。
とあった。本行寺は、日蓮宗の寺で江戸時代は月見の寺として有名。一茶も訪れた。小林一茶「陽炎や道潅どのの物見塚」、種田山頭火「ほつと月がある東京に来てゐる」などの句碑があり、山頭火俳句大会などが開催され、俳人には馴染の寺でもある。その本堂でのライブ。プロデュ―サーは本行寺住職の加茂一行。100名弱は、入れるそうだから、まだまだ客席には余裕あり、とのこと。ライブにしては、早めの、夕刻からの開催、涼みがてら楽しみに出かけてみるのも一興かと‥‥。
★閑話休題・・佐々木通武小説第2弾『恩讐航路ー不在の輪郭ー』(北冬書房)・・
佐々木通武『恩讐航路ー不在の輪郭ー』(北冬書房)、「少年某、時を織りなす心の組曲」、帯の惹句には、
1950年代の中学校を舞台とした長編小説
「ねえ死ぬってどういうことなの…?」/幼い時、洗い物をしている母に聞いた。
母は、息をつめたように僕を見つめ、何も答えなかった。そのあとで黙って
水道の蛇口から流れ出る水を見ていた。あの時の母は、/急に知らない人になったようだった。/あの日から、もうこの人には話すまいと思った。考えてはいけない。
わからなくていいのだ…‥・。(本書より)
とある。著者の「わが心の胡同(フートン)―—あとがきに代えての中のに、
今から、一二年前の二〇一〇年一一月に、私は、初めて自分の出生地である北京の空港に降り立った。(中略)
日本海・黄海と二つの海を越えて北京空港にガツンと着地した時、急に「うっ」と胸に来た。六五年ぶりの生地への帰還である。生まれたてで引き揚げ者となった私は、当然何も覚えていない。ずっと避けがたくわが人生の奥底に澱んできた記憶の白い闇へ、無防備に踏み込んだ一瞬だった。(中略)
盧溝橋は強烈だった。抗日戦争記念館には日本では絶対公開されてない資料や、目を覆うものすごい写真が多数展示されており、短時間ではとても見きれない。
日本はこれだけのことを中国に対して本当にやった……。
しかし、中国の方は、日本の国土にこうした攻撃も、侵略したことはない。これが事実であり、日本と中国の関係は今のところこれだけに尽きるといってもいいとの思いを強くした。
Aさんが、「天皇も、日本の歴代の首相も全部、ここへ一度来るべきだよね」と言い、私は頷いた。(中略)
ところで、このたび私は、前作「影絵の町」に続いて二作目の小説を、北冬書房より出版することになった。舞台は敗戦より一〇数年後の、どうということもない小さな町であり、主人公はこれまた、どうということのないただの中学生である。
この本は、短編とも、断片とも言えそうないくつもの文節が集まって、全体で中編小説を構成している。音楽で言えば「組曲」のようなものとして読んでいただけたらうれしい。
とある。著者、佐々木通武には、かつて、35年の長きにわたって一人で解雇撤回闘争を闘った記録『世界で一いちばんちいさな争議ー東京・中部地域労働組合・柴田法律事務所争議記録編集員会編ー』がある。愚生は、何度か争議現場に支援行動に行ったことがある。思えば、愚生より歳上の闘士だったにもかかえわらず(当時は同世代だと勝手に思っていた)、優しい穏やかな、包容力のある印象だった(権力による不当な逮捕を幾度がされていたが・・・)。彼には、獄中句集も含め句集3冊がある。ともあれ、二冊目の小説の上梓を喜びたい。
佐々木通武(ささき・みちたけ) 1944年、現中華人民共和国北京市鉄匠胡同生まれ。
撮影・中西ひろ美「夏シャツの語ればゆれる喉仏」↑
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