瀧春樹「三瀬川渡らずに待てえごの花」(「樹(TATHIKI)」375号・休刊)・・


  俳句通信「樹」375号・2023,7月号(樹の会)、その告知の案内に、


 ◎休刊のお知らせ

 「あとがき」内にも記しましたように、去る五月十日深夜、脳梗塞に罹患し入院加療の身となりました。句作は愚か、原稿もかくことが出来ず、不本意乍ら375(7月)号をもちまして、一旦休刊といたします。

 僅かでも体調が戻れば復刊も考えておりますので、その節は倍旧に増してのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

                         俳句通信「樹」代表 瀧 春樹


 とあった。一日も早いご回復を祈る。ブログタイトルにした瀧春樹「三瀬川渡らずに待てえごの花」の句には「悼…依田しず子」の詞書が付されている。本誌の特集といえば、何よりも、「特集・東日本大震災を詠む(147)である。東日本大震災が起きてから、現在まで、毎号震災を詠み続けてきたことである。その継続された意志と特集は、他誌では、まったく見られないものだ。敬意を表して、本号よりその一人一句を挙げておきたい。


  3・11風化させまい伝承館          宮川三保子

  原発棟に散水浮世は夏休み            太田一明

  投函の音をのみこむ卯波かな          梶原マサ子

  母の日や歯ぎしりの癖なおらない         鍬塚聡子

  三鉄の徐行運転夏来たる             坂本晶子

  地下茎を伸ばすコスモスみたまへ(・・・)と   林 照代 

  海までは辿り着けざる花筏           藤﨑喩由希子   

  

 


★閑話休題・・・第78回現代俳句協会賞受賞は井口時男、第3句集『その前夜』。

  「その前夜(いまも前夜か)雪しきる」 ・・・

 
 井口 時男(いぐち・ときお)・句集『その前夜』(深夜叢書社 発行)
 1953(昭和28)年2月3日、新潟県生まれ、70歳。
 「豈」「鬣TATEGAMI」「鹿首」各同人。



       芽夢野うのき「ガマの穂やほんのわずかの束縛を」↑

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