林ひとみ「空豆のなかでひらがな孵りけり」(現俳・令和5年度第2回「金曜教室」)・・
本日、6月16日(金)は、現代俳句協会・令和5年度第2回「金曜教室」(於:現代俳句協会会議室)だった。雑詠2句持ち寄り。前半は句会・全句講評。後半は、愚生が、昔、福田葉子の花見の会の折に、いただいた約30分CDを聞いていただいた。それは「折笠美秋に贈る 重信/昭和57年3月」と記されているものである。
音源の内容は、関西で行われた赤尾兜子を偲び、句集『颯』の出版記念会の二次会のなかで、折笠美秋を励ますために、髙柳重信が参加者の声を録音して、東京に持ち帰り、さらに「俳句評論」発行所を訪ねてきた高屋窓秋、三橋敏雄の美秋見舞いの声が入っている。因みに、収録された俳人名を挙げておくと、関西和田悟朗、鈴木六林男、宗田安正、桂信子、小泉八重子、三宅美穂。また、髙柳重信が一人で歌ったサイパン島玉砕の歌と補作の新興俳句の歌などである。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
十薬のはびこるからだ日に開く 石川夏山
約束の反故にされたる冷奴 白石正人
ゆふぐれのなみうちぎはのくらげかな 川崎果連
梅漬ける煩悩封じ塩二割 岩田残雪
青水無月石貨に膝を屈めたり 籾山洋子
桜桃忌この日わたくし生まれたの 村上直樹
消費税分足りなくて薔薇買えず 武藤 幹
飛魚(アゴ)が飛ぶ水平線をバーにして 石原友夫
絡み合う玉葱の髭白きなり 杦森松一
白雲が並んで梅雨の晴れ間かな 山﨑百花
奈良漬のぽらりぽぽらり梅雨曇 林ひとみ
浴衣姿の訛も色気茶を運ぶ 宮川 夏
方言札いまは無きかや琉歌(ウタ)の夏 大井恒行
以下は、愚生のみが選んだ句、
麦秋や三日ののちの世を生きて 山﨑百花
次回、7月21日(金)は、無季の句、2句の持ち寄りです。
撮影・中西ひろ美「夏空に音だけがして壁テニス」↑
コメント
コメントを投稿