川崎果連「なじょすっぺ処理水流す夏の海」(現俳協講座・第2回「金曜教室」)・・


  本日、5月19日(金)は、現俳協講座・2023年度第2回「金曜教室」(於:現俳協会議室)だった。前回出していた課題は「方言で句を作る」。それぞれ、面白い作品が出来ていた。

 分かりにくい方言には、注を付けてもらった。なかにアイヌ語(方言ではないが)を駆使して作句した人もおられた。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


 (神へ祈る)(赤い歌) (よ)(風が燃える)  

 カムイノミ フレシノッチャ ナ レラウフイ   林ひとみ

 いかづちや戦争いけん核いけん(いけん=ダメ・良くない)  村上直樹

 くらっしぇーラムネつかんで子等の声(くらっしぇー=くださいね)宮川 夏

 わやしとるじゃんサミットの冷奴(ぐちゃぐちゃにしとるね) 川崎果連

 めごえなづのぼうすばまぶだまで         山﨑百花

 「かなんなぁ」独り言(ご)つ祖母夕涼み     武藤 幹

 夏空の村一番のてなわん子(てなわん=気が強い) 杦森松一

 (いさか)いも好きやねんとう大白鳥      赤崎冬生

 ハイヒールに抜かれずつねえ春惜しむ(ずつねえ=苦しい) 石原友夫

 桜桃忌部活の空のあずましき           白石正人

 今日のご飯少し強(こわ)いと祖母が言い     植木紀子

 ぬばたまの黒き菓子食む隠元忌          岩田残雪 

 生きてまたのんたねえたに心太(のんた=のぉあんた、ねえた=ねぇあなた)大井恒行


 本日は、最期の20分間で、1983(昭和58)年に、高柳重信によって録音された、病床の折笠美秋を励ます高屋窓秋の声を聞いていただいた。次回(6月19日・金)は、この時(赤尾兜子を偲ぶ会・大阪)での、出席者による折笠美秋へのお見舞い、励ましの声=和田悟朗・小泉八重子・鈴木六林男・宗田安正・三橋敏雄、高柳重信のアカペラ「サイパン島玉砕の歌?」などを聞いていただこうと思う。句会の方は、雑詠2句の持ち寄り。



      芽夢野うのき「勝てないわ黄の薔薇にも髪膚にも」↑

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