土井探花「白日を囀りだつたものが降る」(現代俳句協会「令和五年度通常総会」より)・・

             総会司会の川崎果連と山本敏倖↑


                                       兜太新人賞受賞の言葉・土井探花↑

 本日、3月18日(土)は、現代俳句協会令和五年度通常総会(於;東天紅上野店)だった。組織上でのメインの議案は、「現代俳句協会の解散及び一般社団法人/現代俳句協会への事業継承」であった。任意団体から社団法人への移行に伴ない、実質的な業務開始は、本年4月1日になるという。当面1年間は、役員もそのままである。

 いわば、現代俳句協会の会員は=社員となり、全国にある各地方組織は、任意団体として、そのままの活動を続けることになる。任意団体としての創立75年はこれで、新組織に生まれ変わる。その主な目的は要約すると、


 1,資産の確実な保全

 2,重要な諸契約お的確な運用・実施

 3、社会的信用の担保。協会の各種事業やイベント等への国、自治体及び民間団体や企業などからの助成金。補助金、賛助金等を法人化によって獲得し易くすること。

 4,活動の活性化。会費収入に大きく依存する現状の収益構造から、協会の独自の事業収益を強化することにより、会員減少のトレンド下にも於ても、充分対処可能な収益事業へと徐々に改め、協会の永続的な存続・発展を図って行くこと。


 とあった。その他の、受賞表彰式は、第23回現代俳句大賞受賞者は齋藤愼爾(昭和14年、朝鮮京城府生まれ)。また、第40回兜太現代俳句新人賞受賞者は土井探花(どい・たんか。1976年、千葉県生まれ)。以下に、土井探花の受賞作「こころの孤島」50句からいくつか紹介しておきたい。


  薄つぺらい虹だ子供をさらふには     探花

  灰色の人格で見るなめくじり

  いつからか無害なはだかの草花

  職歴にやまひは書けず水の澄む

  野分あと脳は不純をぐらつかせ

  寝たら死にさうなあをぞら鶴の鳴く

  ハンニバル・バルカ炬燵へ入らうか

  人形は氷るたひらな夜に飽きて

  寒烏こころの孤島まで原野

  陽炎の終はりにちよつとした喜劇


 総会後は、懇親会はなく、愚生は、武馬久仁裕、山本敏倖、なつはづき等と御徒町近くの居酒屋で飲んだ(途中、筑紫磐井と鈴木比佐雄は、宮崎斗士、堀田季花等と合流するために、席を温める間もなく去られた)。

  


  撮影・芽夢野うのき「あちらこちら不可思議分子タンポポの」↑

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