白石正人「白魚の透明を食ふ風を食ふ」(第9回・現代俳句協会「金曜教室」)・・


  本日、2月17日(金)は第9回「金曜教室」(於:現代俳句協会会議室)だった。兼題は「風」「果」の漢字しばりで各一句だったのだが、それをすっかり失念してしまっていた愚生。大失態というわけで、認知症?を疑われるという始末。ただ、愚生の雑詠2句は、選句の対象から外していただいたが、それをもろともせず選ばれた方もいた。脱線気味の話し合いもあって、愚生としては、楽しく充実した句会となった。

 愚生は一年限りの「金曜教室」の講師と思っていたのだが、任期は来年一年あるそうである。次年度開催は本年4月開講、年に10回(会費1万円、四月に前納)の第三金曜日である。継続、または新たにご希望の方は現代俳句協会事務所まで、申し出ていただければ幸甚です。ともあれ、本日の一人一句を挙げておこう。


  引鶴や父は戦果を語らざる       川崎果連  

  風にまだ重さの残る梅雨の明け     武藤 幹

  地の果ての枯野の先を鳥の列      赤崎冬生

  人外の風を呼び込む春の塵       石川夏山

  「果連」といふ俳人が詠む猫の恋    村上直樹

  うりずんの気配漂う果ての浜      岩田残雪

  老い果ての照らすベッドの夏近し    杦森松一

  風光る仏顔して老巡査         宮川 夏

  果音かつてキラキラネームバッハの忌  山﨑百花

  人の世の果てに人あり初桜       林ひとみ

  果敢にも受けて立つのか仔猫の背    植木紀子

  ユーラシアの果てより来る余寒かな   白石正人

  入る墓は陽なし草なし帰る鳥      大井恒行


 次回、3月17日(金)句会は雑詠,何でもあり、です。



        撮影・中西ひろ美「白梅の香りを以て結ぶ文」↑

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