井上治男「競り残りし牛連れ帰る余寒かな」(第14回「きすげ句会」)・・

  



 本日,2月16日(木)は、第14回「きすげ句会」(於:府中市生涯学習センター)だった。兼題は雪。「きすげ句会第二集/一周年記念号」(上掲写真)を代表の杦森松一が作ってくれた。以下に本日の一人一句を紹介しておきたい。


  塹壕に雪霏々として降りやまず      井上治男

  風花や子等は手伸べる通学路      壬生みつ子

  金婚式甘酸辛苦庭の雪          清水正之

  あるじなき家にも咲きぬ梅の花      高野芳一

  ゆきもよひみほとけの唇(くち)ほの赤き 山川桂子

  雪二尺地蔵の赤懸け埋もれけり      濱 筆治

  友の死の土に溶け込む牡丹雪       杦森松一

  ハンドボール取って取られて雪解風    寺地千穂

  笑点にわくわくメンバー一之輔     久保田和代

  スキー場緊急通報鳴り響く       大庭久美子

  道ばたに笑いかけてる犬ふぐり      井上芳子

  「言論の覚悟」かにかく春の雪      大井恒行


 次回、3月16日(木)の兼題は、「石鹸玉・シャボン玉」です。



★閑話休題・・壬生みつ子「賀詞交わし公園清掃14年」(「府中シニア連だより」第154号)・・


「府中シニア連だより」第154号(府中市シニアクラブ連合会)の機関誌で、クラブ数82クラブ・会員数4914名(男性:1818名、女性3096名)2023年4月1日現在とある。その文芸欄に短歌・俳句があるが、その中に、きすげ句会の壬生みつ子の名があった。掲載句の「じっくり解説」には、


 私が70才になって老人会の加入を勧められたのですが、その時孫を遊ばせていた紅葉丘北公園等を老人会の方々が清掃していたことを初めて知りました。面目次第もないこととそれ以来週2回朝8時から掃除をして14年5ヵ月になりました。

 また多磨町会の方から多磨町公園の清掃も依頼され、2カ所も公園を週2回することになり日曜日毎に月4回公園清掃に励んでまいりました。運動にもなり知人も増え町の美化にも多少は役に立っているようで90歳まで続けたいと思いまして今回の俳句を投稿いたしました。


 とあった。愚生には到底マネができない行動力である。



       芽夢野うのき「口うるさの男がひとり木瓜の花」↑

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