渡辺智恵「太陽のような妹ソーダ水」(秩父で俳句を作ろう「俳句イン秩父」より)・・


 本日、6月28日は“ 秩父で俳句を作ろう“「俳句イン秩父」(主催/秩父むらさきの会・彩の国俳句を作る会)(於:秩父宮記念市民会館)だった。愚生の大いなる失敗は、大会日程を見たとたん、その中に「特別ゲストスピーチ『今、俳句について思うこと』/大井恒行氏」という式次第を見たときだ(会場に着いて、選者控室で、出されたお弁当を開きながら、何気なく、そのパンフをみた・・・)。全く失念していたのだ。山﨑十生氏と車中でも語らい、選者としての講評は承知していたのだが・・・。思わず声が出た。十生氏に、「最近の、俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進運動のことでも」、と水を向けていただいて、とにかく、その現状を語ることにしたのだった(30分ほど)。加えて、帰り際に、恐縮ながら、愚生の第80回現代俳句協会賞受賞のお祝いの品までいただいた(ありがとうございました!!)。

 当日句の席題は「近」で一句。ともあれ、以下に、事前応募句を10位までと、席題句のいくつか(愚生の選んだ句)を挙げておきたい。


  太陽のような妹ソーダ水          渡辺智恵

  宇宙より星を貰ひしてんと虫        馬場菊子

  二年後は閉校となる桜かな         眞下杏子

  一切をのみこんでゐる朧かな        斎藤久子

  万緑や両神山といふ気骨          福島時実

  泣き虫は夜行性です月朧          藤澤晴美

  本心を隠したままの曼殊沙華       小山とし子

  花は葉に手書きの地図が大雑把       久下晴美

  陽炎の中は殺気が消えてゐる       渡辺まさる

  雨上がるしずくを編むや蜘蛛の糸     長谷川清美



 当日、兼題「近」の愚生の選んだ句、と愚生の挨拶句を以下に、


  近ちゃんはずっと親友遠花火        宮崎小雪

  目近には武甲の吐息七変化         藤澤晴美

  森涼し遠近両用眼鏡拭く          浅野 都

  唐突に近づいて来るはたた神        久下晴美

  隕石接近ながむしぐるぐる         金子和美

  豆の飯遠くて近き母の家          角 達朗

  梅雨明け近し花婿はモヒカンで      池田めだか

  球場近き歓声田水湧く           小山敏男

  来てみれば夏 近き山かな武甲山      大井恒行



    撮影・芽夢野うのき「いくつかの通り抜けたり鯉の名が」↑

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