林亮「錦木に古き夕日の差しにけり」(『林亮 詩集』より)・・


 『林亮詩集』(私家版)、著者「あとがき」には、


 三十歳から二十数年のあいだ、詩(自由詩)と俳句(定型詩)の両方を、どちらに片寄ることなく作っていた。その後、詩費やす時間が少しずつ短くなっていき、今ではもっぱらはを作っている。詩についてはこれからも、思い出したときに作るくらいのものだろうから、、年齢のこともあり、これまでの作品を整理することにした。直近の句集『詩筒』から五十句を選んでみたので、読み比べていただければと思う。


 とあった。収載は、詩集『吏員』(1990年)抄、『丁』(1999年)抄、『記憶一九七一年』(2006年)抄、『椅子のように』(2009年)抄、『未刊詩篇(詩集『椅子のように』以後)より』、句集『詩筒』(2024年)抄。詩篇は近年になると短い行になる傾向にある。

ここでは、詩篇から、短い詩を二篇、句をいくつか挙げておきたい。


    愛 Ⅱ

 憧れるべきは

 窓の玻璃

 いつも見られていて

 ずっと見つからない

 愛する人の

 指紋を留め

 息に曇り

 哀歓を映し

 そして

 何も覚えていない


    思い出 Ⅱ

 水を汲み

 水を零す

 水車のょうに

 思い出を汲み

 思い出を零す

 永遠に

 その場所で


  人ごとに降りの異なる別れ雪

  初蝶にひらかれてゆく野の扉

  柊の花を最後の師と仰ぐ

  丹頂を降ろして天に帰るもの

  風花のいくひら止むに間に合はず


 林亮(はやし・まこと) 1953年、高知県生まれ。



★閑話休題・・第一回TAMA市民塾「俳句講座-現代俳句入門ー俳句は過渡の詩ー」(於:多摩交流センター)・・




一回目は自己紹介俳句↑

 10月13日(月)は、愚生が講師の「TAMA市民塾講座:現代俳句入門ー俳句は過渡の詩ーj第一回。場所は、府中市役所北第二庁舎6階の多摩交流センターでおこなった。 「多摩交流センター」の案内パンフによると、「多摩交流センターは、多摩地域で行われている芸術文化、スポーツ、福祉、環境等、さまざまな分野の自主的で広域的な市民運動を支援しています」とある。

 次回は11月10日(金)、「兼題」は「冬はじめ」「北風」各一句。俳人紹介は池田澄子。これから、毎月第二月曜に全6回の講座になる予定である。



       撮影・中西ひろ美「谿深く音のみ聞こえ蕎麦処」↑

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