高野ムツオ「炉火に炙る戦争知らぬ脛二本」(「小熊座」2025年5月号)・・

 

「小熊座」5月号、特集は「小熊座四十周年記念特集Ⅰ」(小熊座俳句会)、特集「小熊座の思い出を語る」の執筆陣は、植木國夫「ふくしまを歩く」、平山北舟「『小熊座』の思い出あれこれ」、杉美春「『土の会』のこと」、佐竹伸一「山形に小熊座の光を」、布田三保子「小熊座という学び場」、江原文「ムツオ主宰とのベトナム」、佐藤成之「星の導き」、髙橋彩子「金(くがね)俳句大会のこと」。俳句時評に樫本由貴「どこで何を書かせるか」。その他、及川真梨子「星座渉猟ー俳壇近作鑑賞」などがある。

 実は愚生にも「小熊座」との思い出はある。記憶だけで言うのだが、たぶん「小熊座」5周年?記念大会、塩竈市でのこと。佐藤鬼房健在である。三橋敏雄が祝辞の中で「創刊のときがいかにも遅すぎる。もう少し早ければ良かった・・」と感想を述べていた。高野ムツオ編集長時代のこちである。その折、シンポジウムが行われ、愚生はパネリストとして、片山由美子、故小澤克己、高野ムツオらとともに登壇した。渡辺誠一郎に初めて会ったのもこの時だ。ということは、もう35年前のことなるのだ。翌日は、山寺を案内してもらったのを覚えている。佐藤鬼房とツーショットも撮っていただいたようにおもうが手元にはない。攝津幸彦死去一年後の偲ぶ会には、遠路、鬼房氏は来場されたのをよく覚えている(深謝!)。

 ともあれ、以下に、本誌よりいくつかの句を挙げておこう。


  みちのくの道は茨や蜷の道       渡辺誠一郎

  弥撒の声茎立ちの丈整ひぬ       津髙里永子

  人獣婚あり水仙花が匂う         沢木美子

  砂の上に太陽うごき三鬼の忌       川口真理

  冴返ることに廊下の吊鏡         土屋遊螢

  食べて寝てまた食べて寝て春を待つ    永野シン

  三月や脛に覚えの波上がる        浪山克彦

  机上に啼く青鵐も逝きてしまひけり    増田陽一

  龍神のはらわた陸奥の氷柱とは      佐藤成之

  囀りへ非常階段のびてゐる        佐川盟子

  初夢の金貨崩れて目覚めけり       小田島渚

  操りの糸の先より囀れり         吉野秀彦

  木蘭の意外と低き骨密度        郡山やゑ子

  海女からの太平洋の雫かな       曽根新五郎

  白鳥や日暮れて粗き水の綾       斎藤真里子

  あめつちの子か喋々も汚染土も      須藤 結



     撮影・芽夢野うのき「敷居あけるとすっと肌にくる薄暑」↑

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