加藤知子「花びらをつつむ虚空という男」(「現代俳句」2025年2月号より)・・
「現代俳句」2月号(現代俳句協会)、ブログタイトルにした、加藤知子「花びらをつつむ虚空という男」の句は、「現代俳句時評/ヘビメタからバラッドへ~竹岡一郎最期の七句」の末尾に添えられた句である。昨年急逝した竹岡一郎が「俳句新空間」2024年7月26日に掲載された7句を評したもので、追悼文めいた時評である。その竹岡一郎について、
(前略・2024年)六月二十一日深夜、急性大動脈解離にて急逝。享年六十歳。一九六三年生。一九九二年から「鷹」所属。二〇一九年から「We」同人ともなる。「摂津幸彦、その戦争詠詠の二重性」で第三十四回現代俳句協会評論賞受賞。若手からベテラン俳人までの、数多い俳句評論を手掛けた。二〇〇七年頃には大阪文学学校にも籍を置いていて、筆名「竹井律生」で「金剛鈴」等の小説を発表。NHK梅田教室の俳句講師。句集に『蜂の巣マシンガン』、『ふるさとのはつこひ』、「けものの苗」。
と記してあった。また、本号には、第61回現代俳句全国大会報告関連記事、坪内稔典「第六十一回現代俳句全国大会 講演『俳句の未来--作者から表現へ』の講演録。その他の論考に、林桂「『春夏秋冬』ーー鶏頭黒く菊白し」、小野芳美「横山白虹と松本清張 第5回・完」、黒岩徳将「一句誕生の現場ー指が指に逢ふ新涼のバケツリレー」など、興味深い記事満載。ともあれ、以下に本号中のいくつかの句を以下に挙げておこう。
煙茸寺山修司より訛る 武田伸一
谷に雪己を量りつつ沈む 対馬康子
直線は雪の傾斜を呼んでをり 星野高士
探査機の命短し寒の月 星野 愛
塩竈の胸突き坂や冬紅葉 土見敬志郎
かりそめのバレンタインの日の長さ 武馬久仁裕
海原へ続く葬列陽炎へり 白石司子
冬も飛ぶ蠛蠓人はただ迷いひ 伊藤政美
龍天に潜む戦車を遥かにし 山﨑十生
にんげんの八月にある揮発性 山本敏倖
春隣原子力緊急事態宣言 赤野四羽
冬花火思想に手錠痕がある 土井探花
光らざる偏や旁や蟇 長田志貫
秋蝶のしろさの狂ふ水場かな 早田駒斗
綿虫や素描のような樵小屋 白石正人
足るを知る いえ足りません 寒雀 石川夏山
後藤章↑ 大井恒行↑

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