重信房子「戦場の二月のなゐふる地底からへその緒のまま救われしいのち」(『ただいまリハビリ中/ガザ虐殺を怒る日々』より)・・
重信房子著『ただいまリハビリ中/ガザ虐殺を怒る日々』(創出版・定価1870円),その表紙と裏表紙には、
日本を出国してパレスチナに渡り、その後の投獄を含めて約50年ぶりに市民社会に復帰。
この一年は、ガザ虐殺に心を痛める日々が続いている。
【本書内容抜粋】
50年ぶりの市民生活/戦うパレスチナの友人たち/リハビリの春/
殺すな!今こそパレスチナ・イスラエル問題の解決を!/
これは戦争ではなく第二のナクバ・民族浄化/パレスチナ人民連帯国際デー/
ネタニヤフ首相のラファ地上宣言に抗して/イスラエルのジェノサイド/
パレスチナでの集団虐殺!/パレスチナに平和を!
とある。また、「はじめに」の中に、
獄を出てからもう2年4ヵ月がたちました。
あっという間に日々が過ぎ、今日は79歳の誕生日を迎えました。
篠田編集長に勧めていただいて、リハビリのつもりで書き出した「ただいまリハビリ中」も、もう2年になります。書き始めた頃は体調が本調子ではありませんでしたが、見るもの聞くものすべてが新鮮で、服従のみ強いられた獄を出て、自由に歩き回れることが何とも嬉しい再出発でした。(中略)
他方で1年少し経った2023年10月7日、パレスチナの人々の決起、インティファ―ダの闘いが起き、その後のイスラエルによるジェノサイドが今に至るも続いています。(中略)
パレスチナの情報を聞く祭に、まず心に留めて欲しい前提があります。それは、占領者イスラエルの支配の暴力と占領された被害者のパレスチナ人の抵抗の闘いという前提です。
「暴力」のみ捉えて「どっちもどっち」と考えないで欲しいのです。故郷を追われたパレスチナ人に、国連、国際社会がパレスチナ人の帰郷の権利を決定しているのに、76年にわたり帰れない現実。パレスチナの人々は、人間としての尊厳を持って生きる権利を取り戻すために抵抗の権利を行使しています。欧米メディアが言うような「テロ」ではありません。テロと片付けるところに問題の本当の姿が隠されているのです。
とあった。第3章「ガザの虐殺」の中に、
(前略)イスラエルの新聞ハアレツ紙が暴露したネタニヤフ政権の内部文書(ガザの北から南へとパレスチナ人を追いやってシナイ半島にテント都市を建設して住まわせ、そこにパレスチナ永住都市を建設するという秘密文書。ネタニヤフ首相は「ただのコンセプト・ペーパー」と言い訳した)の通りに進めているのか、ガザをパレスチナ人が住めないように破壊しています。(中略)
非現実的な「ハマース壊滅」という歯止めのないじぇ・ネタニヤフは汚職で裁判を控え、ハマースを壊滅させるどこか自らの墓穴を掘っているように思えます。南アの国際司法裁判所への提訴を支持するよう日本政府に求める市民の力は小さいけれど、粘り強い働きかけと、そして国際的な各地のBDS運動(イスラエル入植地の製品B=ボイコット、D=投資引き上げ、S=制裁)の広がりを願っています。
パレスチナ 落暉(らっき)に燃える地中海 ガザの大地を血色に染め上げ
(2024年1月20日)
ともあった。興味ある方は、是非、本書に直接当たられたい。ともあれ、本書中の重信房子の短歌をいくつか挙げておきたい。
塹壕の司令部室の空薬莢一輪挿しのムスカリの花 房子
テロリストと呼ばれしわれは秋ならば桔梗コスモス吾亦紅が好き
寒あやめ届けばふいに記憶満つ自裁の旧友(とも)の差し入れし花
元日の廃墟がガザに重なりぬ 朝市通りのなゐふる傷跡
断食月(ラマダン)の祝祭叶わぬガザの民 地に伏し祈る背 月光に濡れる
背中 腕 足にも書いてよ僕の名前 ちぎれても母さんと離れないために
「重信さん」呼びかけられて昼寝より目覚めるごとく手術は終わりぬ
日本を発ちて五十一年目の獄窓から壊れつつある世界を見つめる
重信房子(しげのぶ・ふさこ) 1945年、東京世田谷生まれ。
★閑話休題・・大井恒行「戦争に注意 白線の内側へ」(「第一回令和俳人展」、1月20日〈月〉~25日〈土〉12時~19時、最終日16時まで。於:ギャラリーGK)・・
明日、12月20日(月)~25日(土)・12時~19時(最終日16時)まで、銀座6丁目の第一岩月ビル4F・ギャラリーGK(電話03-3571-0105)で「第一回令和俳人展」が開催される。案内に「銀座の真ん中で今活躍中の俳人による俳句展」とある。
参加俳人は、安西篤・市原正直・乾佐伎・上野貴子・大井恒行・鎌倉佐弓・佐佐木あつし・杉浦正勝・髙津葆・夏石番矢・なつはづき・野谷真治・蜂谷一人・藤田三保子(山頭女)・山本紀生・吉田悦花。
愚生は、初めて下手な字を色紙、短冊にして、かつ、句集『水月伝』(揮毫・一句)を即売するつもり、お近くに寄る機会あればご覧あれ!
撮影・中西ひろ美「蠟梅の香りたずねて来しが寒」↑

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