藤埜まさ志「相老(あいおい)の旅の自在や冬すみれ」(『若水』)・・


 藤埜まさ志第4句集『若水』(東京四季出版)、帯文は横澤放川、それには、


   海女海へ投身のごと胸抱きて

 このて的確な写生眼と深々とした慈悲心。

 中村草田男そして成田千空の伝統を継ぐ作家の一頂点。

 継承はついに円熟のわざでなければならない。

 円熟はつねに常若の魂の愛のわざでなければならない。

 その正統なる豊穣の成果がここにある。


 とあり、 また、著者「あとがき」には、


 『若水』は私の第四句集である。七十代後半から最近までの作品を収めた。

 五年前に井戸を掘った。井戸といっても昔の井戸でなく簡易な打ち込み井。災害時の停電による断水に備えたもので、普段は庭木や菜園の散水に使っている。

 あるとき、正月の「若水」に使えると気付いた。元日の朝、人のいないのを確認した上で、門近くの手押しポンプを動かし井水を汲む。そして台所で待つ我が家の女神である妻に、その若水をうやうやしく捧げる。妻はそれをもってお雑煮づいくりにかかる。

 八十路を元気に迎えられたのも、この若水の霊気が邪気を払ってくれているお陰かもと思い、句集名にした。(中略)

 既刊の句集『土塊』『火群』『木霊』に、今回新たに『若水』が加わり。五星のうち四星が揃った。最後の『金環』(仮称)に向かって再出発だ。未完に終わらせたくない。


 とあった。ともあれ、集中より、愚生好みに偏するがいくつかの句を挙げておこう。


  風花の昼の星より剥がれ来し          まさ志

  呼子笛常に離さず阪神忌

  禁足は遠流のごとし花は葉に

  天皇(すめらぎ)も民も倹(つま)しき雑煮食ふ

  白雲を食みゐる夏至の日の麒麟

  風入れや憲法前文ひさびさに

  文夫師は大足たりし朴落葉

  〈年玉を妻に包まうかと思ふ 後藤比奈夫〉の句あれば

  比奈夫まね妻へ年玉包みけり

  夜の桜花の蛍を放ちけり

   父十年忌

  シベリアでの手作りスプーン星涼し 

  とうに敗戦やつと終戦夏の雲

  句も燗ももつと熱うに千空忌

  七ヵ国語のゴミ出し袋蜥蜴の子


 藤埜まさ志(ふじの・まさし) 昭和17年、大阪市生まれ。 



★閑話休題・・「第1回自由律俳句大賞・投句募集/2句1組・投句x締め切り日は、5月31日」・・


AIでは真似のできぬ あなたからほとばしるこころを 囚われないあなたの言葉で 

あなたの自由律俳句を お寄せください。


第一回自由律俳句大賞(主催 自由律俳句協会)

・【応募方法】 2句1組 氏名(フリガナ)/俳号(フリガナ、ある方のみ)、所属結社

 郵便番号 住所 電話番号 年齢

・【未発表句限定】。

・【応募先】 郵送先 242-0002 神奈川県大和市つきみ野1-6-8-105

                                                 篠原紀子 宛

       メール宛先 jiyuritsu.taisho@gmail.com

・【投句料】 1000円(投句制限なし)

・【振込先】郵便振替口座 00180-9-417884 加入者名:自由律俳句協会

      ゆうちょ銀行 記号 10050 番号 03963121 自由律俳句協会

      郵便為替でも受付。

・応募締切 2024年5月31日(金)必着

・【選者】 石川聡、岡田幸生、黒瀬文子、富永鳩山、中村加津彦、堀田季何

・【賞金と賞状】 自由律俳句大賞 1名 5万円、準大賞1名2万円、佳作若干名5千円。

・【発表】 2024年9月下旬 Webサイト https://www.自由律.com

                                         X   @jihaikyo   自由律俳句協会ニュースレター

・【表彰式】 2024年11月下旬(自由律俳句協会総会にて)会場未定(東京都内予


             撮影・芽夢野うのき「ふる雪はもう少し生きよと囁く母」↑

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